07/01/04 14:56:46 0
◇上司・同僚、顔も見ず
操作していた職場のパソコンに突然、エラー画面が現れた。「違反です。あなたのIPアドレス
を記録します」
東京に本社を置く大手IT(情報技術)企業の調査研究担当社員(41)が英文サイトで遺伝子
組み換えに関する資料を探していた時だ。その中に「SEX(性別)」という文字があった。社内
のネットワーク監視システムが「業務中に性的描写を見た」と判断した。
同じような経験は一度や二度ではない。社の管理部門に閲覧許可の申請書をいちいち出さなくて
はならない。「仕事の能率がひどく落ちた。ITを万能と考えている経営者は裸の王様ですよ」
同じIT企業の「ITFOR」(東京都)はパソコンの操作記録を社員本人と上司が見ることが
できる。無駄な仕事をしない「抑止効果」が高まった。私用に使われやすい携帯電話をオフィスに
持ち込むのも禁止。ICカードで開けるロッカーに入れ、1日に取り出した回数まで分かる。
仕事の管理、効率化、情報漏れ対策……。同社が3年前から導入した監視ソフトを開発する
「MOTEX」(大阪府)の高木哲男社長(58)は「市場は将来も確実に伸びる」と予想する。
米国にならい、企業の財務情報の信頼性を保つため08年から社内管理の徹底を法律で義務づける
「内部統制」(日本版SOX法)が追い風になる。
企業の社員監視とネットワーク化が進むとどうなるのか。
150メートル先まで仕切り一つない広いオフィス。足音とキーボードの音だけが響く。大手
企業の電子機器設計を担当する30代前半の男性社員は、静まり返った仕事場で言い知れぬ孤独
感に襲われる。
(続く)
■ソース(毎日新聞)
URLリンク(www.mainichi-msn.co.jp)