【マンガ批評】パンプキン・シザーズ 愚直なまでの「正義」の兵士 やがて立ちふさがる国家そのものの悪にどう立ち向かう…毎日at NEWSPLUS
【マンガ批評】パンプキン・シザーズ 愚直なまでの「正義」の兵士 やがて立ちふさがる国家そのものの悪にどう立ち向かう…毎日 - 暇つぶし2ch1:シガテラな本屋さんφ ★
07/01/03 22:33:48 0
 アニメ化とともにブレークした本作のツボはどこだろう。大型拳銃一丁の歩兵が、ゼロ距離射撃で戦車と
渡り合うという、マンガならではのアクションは、「ベルセルク」(三浦建太郎)の肉弾戦を近代戦の絵面
に置き直したものだし、停戦後も続く混とんの中「戦災復興」に奔走する主人公たち、という設定も、
「鋼の錬金術師」(荒川弘)によって先んじられている。
 となると、それぞれに屈託を抱えつつも、人間的に成長していく主人公たちの魅力だろうか? それは否定
できないが、あまりにもきちんと萌えツボを押えたキャラ設定の手際には、あざとさを感じなくもない。
(気弱な巨漢の戦士「伍長」が男前でツンデレの美少女「少尉」以上の萌えキャラとして消費されているのは、
果たして狙い通りなのだろうか?)

 むしろ本作において注目すべきは、愚直な「正義」へのこだわりだ。例えば「ブラック・ラグーン」(広江礼威)
の悪党たちは、権力者や革命家の偽善(で取り繕った巨悪)を軽蔑し、自らの悪を隠さぬ「誠実さ」に誇りを持って
いる。それに対して本作の兵隊たちはちょうどその反対、悪党たちを狩る側だ。

 国家に捨てられ、国家の偽善を痛烈に批判しつつ、結局は罪なき人々を食い物にするだけの悪党の、居直りに
過ぎない「誠実さ」を拒絶し、かといって単なる体制のガス抜きにも甘んじず、奮闘する彼らは、やがて立ちふさがる
だろう国家そのものの悪に、どう立ち向かうのだろうか。【稲葉振一郎】

パンプキン・シザーズ 岩永亮太郎 講談社・550円

◇稲葉振一郎
明治学院大学社会学部教授。最近ではマンガ、アニメの批評でも活躍中。著書に「ナウシカ解読―ユートピアの限界」
(窓社)、「オタクの遺伝子」(太田出版)など。

URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)


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