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・安倍首相は、政府の「皇室典範に関する有識者会議」(座長・吉川元東大総長)が平成17年に
まとめた、象徴天皇制の維持を目的に女系皇族にも皇位継承権を認めるとの内容の報告書を
白紙に戻す方針を決めた。秋篠宮家に悠仁さまが皇室の約40年ぶりの男子として誕生され、
報告書の前提条件が変わったと判断した。
男系継承は、125代の現天皇陛下まで一度の例外もなく続いており、現行の皇室典範も、
1条で「皇位は男系の男子が継承する」と定めている。しかし、平成17年11月に、首相の
私的諮問機関である有識者会議が父方ではなく母方の系統に天皇をもつ女系天皇をも
容認する報告書をまとめた。これをもとに、政府は皇室典範改正案を国会に提出する方針
だったが、昨年2月の秋篠宮妃紀子さまのご懐妊により国会提出が見送られた経緯がある。
これに関連、安倍首相は官房長官時代の昨年9月、フジテレビの番組で有識者会議の報告書に
ついて、「ずっと男系で来た伝統をすぐ変えるかどうか、慎重になるのは当然ではないか」と発言
していた。男系維持の方法としては、昭和22年にGHQの意向で皇籍離脱した旧宮家の皇籍
復帰や、現在の宮家の継承などを挙げていた。
ただ、皇室典範では、旧皇族の皇籍復帰や、皇族が養子をとることは認めていない。
皇太子さま、秋篠宮さまに次ぐ皇位継承権3位の悠仁さまのご誕生で、現行法下でも当面の
皇室存続のめどはついたものの、将来にわたって安定的な皇位継承が確保されたわけではなく、
何らかの法改正が求められていた。
このため、首相は、昨年9月の官房長官としての記者会見では、「皇位の安定的な継承のためには
皇室典範見直しを含めた検討が必要だと考えている」と指摘。下村官房副長官も9月に悠仁さまの
ご誕生を祝う集会で、政府として「法律改正をどう考えていくのか、大切な時期だ」と表明していた。
ただ、女系継承容認を打ち出した有識者会議は現在、形式的にまだ存続している。このため、
首相は有識者会議のメンバー入れ替えや改廃についても検討する考えだ。(一部略)
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