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★経団連:成長路線明確に 「御手洗ビジョン」発表
・御手洗冨士夫経団連会長 日本経団連(御手洗冨士夫会長)は1日付で、今後10年間の日本の
進むべき道筋を示した「希望の国、日本」(略称・御手洗ビジョン)を発表した。規制改革などを実現
することで、15年まで名目で年平均3.3%、実質で同2.2%の経済成長を達成できると試算し、
成長を重視する安倍内閣の「上げ潮」路線に歩調を合わせた。一方で、財政健全化のため、
「遅くとも11年度までには消費税を2%引き上げる必要がある」と明記した。
ビジョンは経団連の今後の提言の基本になる。税制では、09年度の基礎年金国庫負担割合の
引き上げ時までに、その財源確保策を含めて税制改正議論を深め、消費税引き上げにつなげる
必要性を示した。一方で、産業の国際競争力強化のため、国・地方税を合わせた法人実効税率を
10%引き下げるよう求めた。
さらに、10年代初頭までに戦力不保持を定めた憲法9条を含めた憲法改正、中央集権体制を
改めて、自立した広域経済圏を目指すため15年度までの道州制導入も提唱した。
経団連の御手洗ビジョンは、御手洗会長が掲げるイノベーション(技術革新)や規制改革によって、
「人口減少社会でも経済成長は可能」とのシナリオを描いた。しかし、15年度まで平均年2~3%台
という成長率には、「希望を持てる社会にするために必要な成長率」(経団連幹部)という意味合いも
強く、目標達成には高いハードルが残る。
労働力の確保策としては、女性や高齢者、若年層の積極活用を打ち出し、労働市場改革の
重要性も強調した。そのために、現行の給与体系を含めて「労働関係諸制度の総点検」をうたう。
また、ビジョンは国外から活力を積極的に導入する方向を示した。具体的には、アジア諸国を
中心に経済連携協定(EPA)の締結を急ぎ、東アジア共同体の構築を目指す方針。ただ、
国境を越えたモノや人の交流進展によって、国内の格差が拡大するおそれもある。国民の
反発を招く可能性もあり、自由化の行方は見通せない。(一部略)
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