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東京都港区のエレベーター圧死事故で、警視庁捜査1課は、電磁コイルのショートなど
事故機の複数のブレーキ異常を保守点検時に見落としたことが事故を招いたと断定、管理
会社の点検員と幹部ら数人を業務上過失致死容疑で、来月にも立件する方針を固めた。
ビルの高層化が進む中、エレベーターは、日常生活に欠かせない構造物となっており、立件
により、安全管理体制に警鐘を鳴らす必要があると判断した。
エレベーターのブレーキ構造は制御盤の指示でかごを停止させた上、ワイヤを巻き上げる
ドラムをパッドで挟み込んで静止状態を保つ2段階。動かすには、挟み込んだパッドを広げる
指示を制御盤から電磁コイルに出してブレーキを解除、ドラムを回転させる。
調べでは、事故機はブレーキの電磁コイルがショートし、アームを広げる力が減少していた。
パッドが摩耗していたほかドラムに多数の傷がついていた。パッドで挟み込んだままドラムが
回転したため、摩耗や傷が生じたらしい。
事故時の管理会社「エス・イー・シーエレベーター」は警視庁へ見解書を提出。「コイルの
抵抗値が新品の2分の1に減少。パッドとドラムの間に0.15~0.25ミリの隙間(すきま)が
あった」と、ブレーキの不具合を認めながらも「コイルの不具合発生から数分で事故に至った」
と主張し、点検時の事故予測は「不可能」と責任を否定している。
電磁コイル自体は中が見られない構造で点検できないが、ブレーキを解除する際のドラムと
パッドの間隔を調整する「ストローク幅」が事故機は隣の4号機より短かったことが捜査で
分かった。ドラムの傷には古いものもあり、事故直前のショートと考えにくく、警視庁は点検員が
こうした外見的異常に気づき、ショートを疑い、製造メーカーに届けていれば、事故は防げたと
判断。少なくとも事故時の管理会社は、適切な措置を怠ったとの疑いを強めている。
管理会社は平成16年度が製造メーカーのシンドラーエレベータで、17年度は日本電力サー
ビスの下請けが担当。コイルのショートがいつの時点から生じていたのか特定を急いでおり、
他の管理会社の刑事責任追及も検討している。(後略)
産経新聞イザ 12/31 03:00
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