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東京都の若手芸術家育成事業「トーキョーワンダーサイト」を巡り、都が実質的な内部機関の
任意団体「トーキョーワンダーサイトコミッティ」を都庁内に組織し、04年度まで総額約1億円の
補助金を支出していたことが分かった。補助金の交付でも不適正な手続きが行われていた。
コミッティは都幹部が委員長を務めるなど都と一体的な関係。石原慎太郎知事の発案の事業で、
スタート当初の不明朗な運営実態が浮かび上がった。
都によると、事業は01年度途中から始まり、02年度から都生活文化局が所管。コミッティは
同局内に置かれ、事業の企画、イベントや展覧会の運営を行った。委員5人は同局長が委嘱し、
委員長は都文化振興部長、副委員長は今村有策・都参与が務めた。
コミッティに対し都は、02年度998万円▽03年度3493万円▽04年度6079万円の補助金
を交付していた。関係者によると、コミッティは、委員会で事業計画や決算を審議しないまま、
委員長決定で都に補助金の申請をしていた。都側も実態を知りながら、補助金を交付していた。
また、都は補助の条件として、事業内容や経費配分が変更された場合は都の承認を得るよう
定めていたが、その手続きを経ないまま02年度の事業計画と実績報告では、事業の内容が
変更されていた。03年度の事業計画は事業別予算額の記載がなかったが、都は受理していた。
これらについて都監査委員が04年12月の監査で是正を求めていた。05年度以降は適正な
手続きをしているという。
都生活文化局は任意団体で事業運営し補助金を支出したことを「民間の寄付もあったほか、
作品の販売も行っており、都直轄の形ではやりにくかった」と説明。不適正手続きは「計画通り
進まない事業もある。都庁内に組織が置かれたため、ルーズになったことは否定できない」と話す。
ワンダーサイト事業の運営は、05年度から都と外郭団体の東京都歴史文化財団が共同で行い、
今年度からは同財団が事業主体となった。同事業を巡っては石原知事の四男の登用が批判を
集めている。【北村和巳、夫彰子】
毎日新聞 2006年12月29日 3時00分
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