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アイドルのように写真集を出し、歌手のようにライブで歌い、ラジオ番組のパーソナリティーもこなす。
でも、平野綾さんがこだわるのは、あくまで“声優”としての自分だ。
『涼宮ハルヒ』役で大ブレーク、20歳で声優界のトップスターに躍り出た彼女に、仕事やアニメへの
思いを聞きました。 (福田淳)
「舌かんじゃったー」
ライブの合間のつぶやきにも、即座に観客から「大丈夫ー?」と反応が返ってくる。
2日、埼玉県所沢市にある日本大学芸術学部の学園祭『藝術祭』で開催されたミニライブ。
アンコールを含める全6曲の熱唱に合わせて、会場の大教室には「ヘイ!ヘイ!」というかけ声や
手拍子がわき起こる。500枚のチケットは、わずか5分で完売。
『普通(ただ)の学園祭には興味ありません!』というライブのタイトルは、むろん涼宮ハルヒの名セリフ
「ただの人間には興味ありません!」から来ている。
☆暴走するセリフ
ハルヒのセリフはこう続く。
「この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」
『涼宮ハルヒの憂鬱』(※1)冒頭でクラスメートに言い放つ、ぶっ飛んだ自己紹介。
原作小説でハルヒの暴走ぶりを印象づけたこのセリフを、アニメ版で平野さんが発したとき、
精いっぱいに背伸びして、でも胸中は繊細に揺れる、リアルな少女の姿が鮮明に浮かび上がった。
“声優・平野綾”が多くのファンの胸に刻まれた瞬間だ。
「ハルヒがいつも感じているモヤモヤ感は、あの年ならではのものですよね。いろんな憂鬱度の
ハルヒを演じた時、自分の芝居が不安定だな、と感じることもありましたが、それがかえって心情的に
いい部分もあったかもしれません。もう、あの時しか出せない声だったと思います。」
ハルヒは、世界の存亡を左右するような力を内に秘めているのだが、本人はそれに気づかず、
退屈な日常の中で、自らの“実存”に悩んでいる。
平野さんもサルトルにはまった時期があり、「人間は自らつくるところのもの以外の何物でもない」だとか。
単に『キャラクター』と『声優』という関係を超えた“奇跡”のシンクロ。
平野ハルヒは2006年のアニメ界を席巻し、その人気はなお衰えない。
☆多彩な声
普段の口調は何というか“ほんわか”。
ところが演技になると、凛とした大人っぽい声から、甘えんぼの子供の声までを見事に使い分ける。
とても同一人物とは思えないほどの多彩さだ。
「子供の頃、『ガラスの仮面』が大好きで、北島マヤや姫川亜弓、月影先生、桜小路君とか、
全部のキャラを1人で声に出して演じ分けていたんですよ。それが練習になったかな」
14歳のとき、『おとぎストーリー 天使のしっぽ』(※2)の守護天使“サルのモモ”役で、初めて
本格的なアニメの役を演じる。15歳で主演した『キディ・グレイド』(※3)でも、共演者から
「声に一番色気がある」と言われたそうだ。
「よく、母親が電話に出ると、急によそ行きの声になるじゃないですか。それをやってみたら、自分も
大人みたいな声が出ることに気づいたんです」
『ハルヒ』の後の『らき☆すた』(※4)では、ハルヒとは正反対に、テンションのやたら低い泉こなた役を
演じ、またも新たな人気を博した。
「普段の自分はハルヒに近いと思うんですが、家でゴロゴロしてたり、コンビニで漫画立ち読みして
『あー、最近この作家手ぇ抜いてるよなぁー』とか文句つけると『それ、こなたじゃん』と言われます(笑)」
(>>2以降に続きます)
(読売新聞 11月14日夕刊『ALL ABOUT』より)
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