07/09/25 22:46:35
「アニメの2次創作、権利者と一緒にビジネス化しませんか」―アニメ製作会社の団体・
日本動画協会は今秋、こんな趣旨の企画「アニメ・チャレンジオーディション」を行う。
著作権をがっちり守りながらビジネス展開してきたアニメ業界にとって、2次創作を広く
許諾するという試みは異例だ。
「鉄腕アトム」「魔法の天使クリィミーマミ」「機動警察パトレイバー」「新世紀エヴァンゲリオン」
など、動画協会会員企業が権利を持つアニメのキャラクターやストーリーを広く開放。
応募があった約70作品のうち、権利者の審査を通った11作品を、10月4日から開かれる
「Japan Animation Contents Meeting 2007(JAM 2007)」(秋葉原UDX)で展示。来場する
流通業者や玩具メーカーなどと、ビジネスの可能性について検討する。
「『(アニメ作品を)絶対使っちゃだめ』と囲わず、ちょっと開放してみれば、そこから新しい
才能やビジネスが発掘できるかもしれない」―動画協会事業委員会委員長で、手塚プロ
著作権事業局の清水義裕局長は期待する。
発想のきっかけは、昨夏初めて訪れたコミケだった。「動画協会は年1回、ビッグサイトの
東1~3ホールで1日だけアニメフェアをやっているが、コミケのエネルギーはそれの比では
ない。1サークル当たり机1つ分のスペースを1日しか借りられないというルールだが、
それでも表現したい人が集まる」
コミケでは、権利者の許諾を得ていない2次創作漫画が大量に流通する。「出版社も見て見ぬ
ふりをしているのだろうが、それならむしろ積極的に認めてやり『ここなら2次創作を作っても
いいよ』という場を作った方がいいのでは」―清水さんはそう考えて「OPEN POST」の企画を
練り、今年初開催となるJAMでも2次創作を募集することにした。
JAMは、経済産業省と民間が共同で開催するコンテンツ関連イベント「JAPAN国際コンテンツ
フェスティバル」(CoFesta)の1つだ。「制作者が作品を直接売り込む機会としては、春のアニメ
フェアがある。秋のJAMは“コミケのエネルギー”を活用して2次創作を一般募集すれば、
制作者側に負担がかからない形で新たな才能やビジネスを発掘できるのではと期待している」
清水さんによると、動画協会員50社のアニメの制作費は年間約400億円。「どのプロダクションも
おそらく20%も制作利益が出ていない」といい、仮に20%で計算しても利益は80億円。50社で
割ると、1社当たりの年間制作利益は1億6000万円に過ぎない。その一方で、商品化権からの
ロイヤリティー収入は年間約160億円。仮にほぼ全てが利益になると単純計算すると、
1社当たり3億円強。制作料収入からの利益の2倍近い。「アニメの制作基盤を強化するには、
いい作品を作るのことは当然だが、商品化からの利益を得ていく必要もある」
プラモデルやおまけ付き菓子、ノート―アニメのキャラクター商品企画はこれまで、スポンサー
企業が主導してきた。「アニメ制作者サイドはこれまで、商品化は玩具メーカーなどスポンサーに
任せるものだと思っていたし、スポンサーはアニメを『ものを大量に売る道具』と見ていた面も
あるだろう」
アニメに強力なスポンサーが付かない時代。制作会社自身が外部のクリエイターと協業して
キャラクター商品を開発すれば、新たな収入源となる可能性がある。
ITmedia(一部略)
URLリンク(www.itmedia.co.jp)
JAM2007
URLリンク(www.jam-anime.jp)