07/08/27 18:46:37
国産アニメのビジネス環境が変わり始めた。テレビ放映される作品数が増加し、競争が激化
する一方、収益の中心だったアニメDVDは国内外で売り上げ不振。PC・携帯電話向け動画
配信の一般化や次世代DVD発売などで再生環境も多様化し、「地上波で放映してDVDを売る」
というこれまでのモデルに変革が迫られている。「当社のDVDが売れない最大の理由は作品の
力不足だが、業界全体でもアニメDVD販売が不振だ。その原因は1つではないだろう」と
GDHの内田康史副社長は言う。
HDD&DVDレコーダーの普及は、特に国内のアニメDVD販売に打撃を与えていると見る。
地上波で放映された作品を家庭でDVDに録画・アーカイブできるようになり、放映終了後に
改めてDVDを買おうというユーザーが減ったとみられるためだ。動画共有サイトは、海外の
DVD販売を直撃していると考えられる。日本で放映された新作アニメが、YouTubeのように
世界共通フォーマットの動画共有サイトにアップロードされると、海外のファンは海外版の
リリース前に視聴でき、DVDを買わずに済む。日本版をコピーした海賊版DVDが、正式版
発売前に安価に出回ることもある。
ハリウッド映画など世界中に流通網を張り巡らしているコンテンツホルダーは、DVDを世界
同時に発売してタイムラグによる利益ロスを防いでいるが、GDHのように世界に流通網を
持たない企業には同時発売は困難だ。「当社がアニメDVDを海外展開する場合、字幕や音声、
パッケージなどを海外仕様に作り変える時間が必要で、どうしても日本よりも後の発売に
なってしまう。このタイムラグのせいでビジネスチャンスを逃している面はある」
ただ“犯人探し”に躍起になるだけでは、次のビジネスは生まれない。「時代とともにメディアは
移り変わるもの。最も多くの人に視聴してもらえ、お金を払ってもらえる可能性が高いメディアを
試し、ビジネスを切り開く必要がある」
同社はアニメ製作会社として初めて、8月1日にYouTubeに専門チャンネル「GONZO DOGA」を
設置。YouTubeの積極活用に乗り出した。8月27日までに最も多く再生された動画の再生数は
累計11万以上。手ごたえを感じている。同社もYouTubeの違法コンテンツ対策に協力しつつ、
ユーザーが無許諾アップロードした同社作品も、プロモーションに活用できそうなら残しておく、
といった対応も模索する。
国内では有料動画配信も試している。売り上げは「DVDと比べるとまだまだ」だが、ニーズは
世界中に確実にあると見る。それを証明したのは、皮肉にも違法サイトだ。
変化しているのはビジネスモデルだけではない。動画コンテンツのフォーマットや端末も
多様化が進んでおり、それぞれに合わせたコンテンツ制作も必要とされている。
「携帯画面だと引きの絵では見づらいし、次世代DVDのハイビジョン映像はその逆。
フォーマットによって作り方や視聴のされ方が異なるため、製作現場もそれに合わる必要が
ある。ある実写映画の製作現場では、携帯電話配信用のカメラを別に用意し、寄りで撮影
していると聞く。アニメ制作でも同様な対応が必要になるだろう」 メディアに合わせて
コンテンツを作り変えるとなると、制作コストが跳ね上がりそうだが、「1つのコンテンツを、
端末特性に合わせてさまざまに加工することができる」とし、加工を前提にしてコンテンツを
制作することで、コストを圧縮できるとみている。
「過去を100年の歴史を見ても、映像メディアが映画からテレビに変化し、ビデオカセットの
発明がハリウッドのビジネスモデルを変えるなど、環境は常に変化してきた。作り手としては
その環境に早く体を慣らして視聴者に満足してもらえる作品を作り、新たなビジネスを模索
していくしかない」
ITmedia(一部略)
URLリンク(www.itmedia.co.jp)
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