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宇宙航空研究開発機構の月周回衛星「かぐや」が今夏、打ち上げを約1か月延期する原因となった
電子部品の取り付けミスは、製作を担当したNECの部品点検が不十分だったために起きたことが、
同社の内部調査でわかった。
同様のミスは超高速インターネット衛星「きずな」でも見つかり、2衛星で計12か所にのぼった。
延期により修理費を除くロケットの保管費用など約1億6000万円が余分にかかったが、宇宙機構は
同社に負担を求めていない。
ミスがあったのは「かぐや」から分離して重力観測にあたる子衛星2基で、コンデンサーの「+」と「-」が
逆に取り付けられていた。来年打ち上げ予定の「きずな」の性能試験で8か所が判明。その後「かぐや」も
点検しミスが見つかった。
NECによると、基板に記される「+」「-」の印字がコンデンサーに悪影響を及ぼすとの理由から書かれ
ていなかったほか、特に注意を喚起する文章が手順書になく、ミスを誘発する条件が重なった。図面と
電子部品の配置をみる外観点検は行われたが、部品ごとの個別確認が不十分で、ミスが見逃されたという。
このコンデンサーは電極を逆に付けても約1000時間は正常に働く性質を持つ。宇宙機構による電気を
流す性能試験で「かぐや」は異常が起きず、「きずな」は試験時間が長かったため異常が見つかった。
NECは2衛星の修理費を負担するとともに、手順書の改善策をまとめ宇宙機構に報告した。
(2007年11月19日14時39分 読売新聞)
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