07/10/19 18:42:33
DNAの二重らせんモデルの提唱者の1人であり、1962年にはノーベル賞も受賞したJames
Watson(ジェームズ・ワトソン)氏が、英『Times (of London)』紙日曜版『Sunday Times』
のインタビューで問題発言を行なった。
このインタビューについて解説した、Times Onlineの「記事」から引用する。
Watson氏は、「アフリカの可能性について根本的に悲観的だ」、というのも、「われわれ
の社会政策は、彼らの知能がわれわれと同じだということに基づいている―だが、実験
結果はすべて、それを肯定していない」からだと述べている。
この「厄介な問題」は今後、扱いにくくなるだろう。Watson氏は誰もが同等であることを
願っているが、「黒人の従業員を雇わざるをえない人々は、これが真実でないことに気づ
いている」と同等論を覆した。
さらにWatson氏は、「黒人の中にも非常に才能のある人はたくさんいる」ので肌の色で
差別すべきではないが、「低いレベルでうまくやれない場合は、昇進させない方がいい」と語っている。
このインタビューは、新刊"Avoid Boring People: Lessons from a Life in Science" の
宣伝のために英国を訪れていた最中に行なわれたものだが、この新刊のなかでも、Watson
氏は次のように書いている。
「進化において地理的に隔離されていた人々の知的能力が、(隔離されなかった場合と)同じ
ように発達したはずだと考えられる確固たる理由はない。同等な理性を人類にとって普遍的
な遺産としたいと思う気持ちだけでは、それを実現するには不十分だろう」
英国の科学博物館は、Watson氏の発言を不適当として、19日(現地時間)に予定されていた
同氏の講演をキャンセルした。報道によると、Watson氏が1968年以来勤務してきたCold
Spring Habor Laboratoryは、電話による緊急理事会を開催し、Watson氏の発言について
批判する声明を発表。Watson氏も18日、AP通信に対して謝罪声明を出した。
Watson氏に関しては、二重らせん構造の発見の元になった女性科学者Rosalind Franklin
[DNAのX線写真を撮影した科学者。関連邦訳書に『ダークレディと呼ばれて―二重らせん
発見とロザリンド・フランクリンの真実 』(出版:化学同人)がある]の業績が正当に評価
されていないとされることや、今までにも問題発言(「ホモセクシュアルであることが
遺伝子からわかれば堕胎が認められるべきだ」「黒人はより高いリビドーを持つ」など)を
繰り返してきたことが指摘されている。
URLリンク(blog.wired.com)
(日本語訳・解説)
URLリンク(wiredvision.jp)
DNAの二重らせん構造を発見し、1962年のノーベル医学・生理学賞を共同受賞した
米コールド・スプリング・ハーバー研究所会長のジェームズ・ワトソン博士(79)が
「黒人は知能で白人に劣る」と発言し、新著宣伝のため訪問していた英国内で波紋を広げている。
政治、宗教、人種問題をめぐる歯にきぬ着せぬ発言で知られる同博士は、14日付の英日曜紙
サンデー・タイムズのインタビューで「アフリカの人々(黒人)の知能はわれわれと同じという
前提で社会政策がつくられているが、すべての知能テストがそうではないことを示している」と
発言。「今後10年内に遺伝子が人間の知能に差をもたらしていることが発見されるだろう」
などと語った。
19日に同博士の講演を予定していたロンドンの科学博物館は17日、「博士の発言は科学的
論争の限界を超えている」として講演会の中止を決定した。
URLリンク(sankei.jp.msn.com)