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「動かせて痛みなし」新麻酔薬の可能性 米大など発表
手術した部分をすぐに動かせて、痛みは感じない―そんな新しいタイプの麻酔薬の開発に
つながる局所麻酔の方法を、米ハーバード大などのグループが見つけた。
4日付英科学誌ネイチャーに発表する。
現在の局所麻酔は痛みを感じる神経だけでなく、運動神経などすべての神経の働きを抑え
てしまう。体を動かしたり温度を感じたりできないのが難点だった。
グループは、痛みを感じる神経細胞の多くに、唐辛子の主成分「カプサイシン」を受け止める
たんぱく質があることに注目。このたんぱく質にカプサイシンがくっつくと、細胞膜に穴をあけた
ような構造になる。グループは、この穴を通して細胞に入り込み、神経細胞の興奮を抑えること
ができる分子を見つけた。
ラットの足に、カプサイシンとこの分子を注射すると、痛みを感じなくなったが、運動神経は
正常で足を動かし続けることができた。
生理学研究所の富永真琴教授は「臨床応用は今後の課題だが、まったく新しい選択的な
局所麻酔薬をつくる可能性を開く成果だ」と話している。
朝日新聞
URLリンク(www.asahi.com)
Inhibition of nociceptors by TRPV1-mediated entry of impermeant sodium channel blockers
Nature 449, 607-610 (4 October 2007) | doi:10.1038/nature06191
URLリンク(www.nature.com)