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独立行政法人理化学研究所は、「重力レンズ現象」を過去最大の規模で系統的に観測し、
宇宙が「暗黒エネルギー」と呼ばれる未知のエネルギーに満ちているという証拠を、他の観測とは
異なる独自の手法で得ることに成功しました。これは、理研中央研究所牧島宇宙放射線研究室の
稲田直久基礎科学特別研究員、および米国スタンフォード大学の大栗真宗博士研究員を中心とする
国際共同研究グループによる研究成果です。
超新星や宇宙マイクロ波背景放射の観測など天文観測の進展によると、私たちが普段目にして
いる物質(陽子や中性子からなる物質)は、宇宙全体の質量のうちわずか数%を占める程度で、
宇宙の質量の大半は暗黒エネルギーと呼ばれる宇宙を均一に満たす謎のエネルギーによって
占められているということが示唆されています。しかしながら、この暗黒エネルギーは、これまで
直接的に検出されておらず、現在の天文学および物理学の最大の謎の1つとして、様々な角度から
その存在や性質を検証していくことが必要になっています。
研究グループは、遠方の天体からの光がその視線上にある別の天体によって曲げられ、
見かけ上複数に分裂して観測される重力レンズ現象という天体現象に着目し、その系統的かつ
大規模な探索を行うことで暗黒エネルギーの存在量を調べました。遠方の天体としては
「クエーサー」という天体に的を絞り、約23,000個のクエーサーのうち11個が重力レンズ現象を
受けていることを観測し、その確率から暗黒エネルギーが宇宙の質量の約70%を占めることを
確認しました。この探索はこれまでに行われたものをはるかにしのぐ規模で、過去最大でした。
さらに研究グループは、暗黒エネルギーの性質についても調べ、相対性理論を生み出した
A.アインシュタインが導入して後に撤回した「宇宙項」と呼ぶものに矛盾しないことを確認し、
暗黒エネルギーの正体の解明に向けてさらなる一歩を踏み出すことに成功しました。
(以下ソースにて)
理化学研究所プレスリリース
URLリンク(www.riken.go.jp)