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C型肝炎ウイルス 中性脂肪利用し増殖
京大研究班 治療に応用も
肝硬変や肝臓がんなどの原因となるC型肝炎ウイルス(HCV)は、細胞内の中性脂肪を
利用して増殖していることを下遠野邦忠・京都大名誉教授(現慶応大教授、分子生物学)らの
グループが突き止めた。ウイルスが、脂肪を増やすよう働きかけていることもわかった。
英科学誌「ネイチャー・セル・バイオロジー」電子版に27日掲載された。
C型慢性肝炎患者に脂肪肝が多いことは知られているが、理由は分かっていなかった。
グループは、ヒトの肝臓細胞を培養し、HCVに感染させた。観察の結果、ウイルスの「コア」
と呼ばれるたんぱく質の働きで、細胞内の中性脂肪が増えることが分かった。さらに、中性
脂肪の塊の膜の部分で新たなウイルスが作られることも分かった。
HCV国内の感染者は約200万人。慢性肝炎になると、患者の一部は20~30年で肝硬変や
肝がんに移行する。肝がんによる年間の死者数約3万人のうち、75%近くがHCVに感染している。
治療には、ウイルスを駆除するインターフェロンやリバビリンを併用するのが主流だが、
長期間の治療が必要で、発熱や脱毛などの副作用があり、患者の半数程度にしか効かない
とされる。下遠野名誉教授は「HCVの中性脂肪への付着をブロックできれば、これまで薬が
効かなかった患者も治療できるかもしれない」と話している。
(2007年8月27日 読売新聞)
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
The lipid droplet is an important organelle for hepatitis C virus production
Nature Cell Biology, Published online: 26 August 2007; | doi:10.1038/ncb1631
URLリンク(www.nature.com)