07/08/26 17:16:39
音大を舞台にした「のだめカンタービレ」、美大の「ハチミツとクローバー」に続いて、
今度は農大を描いたマンガが話題になっている。マンガ雑誌「イブニング」(講談社)で
連載中の「もやしもん」は、菌が見えるという特殊な能力を持つ主人公が農大に入学して
織りなす学園物語で、単行本5巻で累計160万部のヒット。菌を擬人化したかわいい
キャラクターが受け、「農大に入りたい」という若い読者も増えているという。(上塚真由)
東京・渋谷の「SHIBUYA TSUTAYA」。「もやしもん」のコミックが平積みにされた
特別コーナーには、手作りのキャラクターの絵が飾られていた。「農大を舞台にした
マンガは過去にもあったが、菌というのが新しい。男女や年齢に偏りなく売れています」と
コミック担当の小野寺千恵さんは話す。
「もやしもん」のもやしとは、日本酒を造るときに使われる種麹のことで、作品には、
麹菌だけでなくチーズ作りに役立つカビ、風邪のウイルスなど約150種類の菌が登場。
醸造や発酵の過程が人間ドラマと交錯してユニークに描かれる。
作者の石川雅之さん(33)は、自宅近くに大阪府立大農学部(現生命環境科学部)が
あったことから農大に興味を持っていた。「岡山の酒蔵を訪ねたとき、杜(とう)氏(じ)に
『麹の声が聞こえる』と教わり、菌が目に見えたら面白いなと考えた」と言う。
大学の図書館に通って猛勉強を重ね、顕微鏡写真の菌を参考に目や口をつけて
デフォルメした。
それらキャラクターも人気の的で、携帯ストラップが付いた5巻特装版を6月に
発売したところ、12万部があっという間に売り切れ。現在、10社以上から商品化の
話が舞い込んでいるほか、10月にはテレビアニメも放送される。
「イブニング」の担当編集者、松下陵さんは「農大に入りたいという受験生からの
ファンレターも多数、寄せられています」と語る。
この農大ブーム、菌ブームには専門家も注目している。国立科学博物館植物研究部の
研究主幹、細矢剛さん(43)によれば、日本は発酵食品の文化が発達しているのに、
菌類の研究者は減る一方だという。「菌の役割について親しみやすいキャラクターを
通じて広く興味を持ってもらえた。菌の教育、普及にとっては福音です」と細矢さん。
同館では来年、菌類に関する大型展示を予定している。
TITLE:Sankei WEB
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