07/08/04 09:17:42
国産初のブルドーザー、自転車用補助エンジン、初代新幹線―。歴史に残る機械を
次世代に伝えるため、日本機械学会が「機械遺産」の制度を設けた。7日、25件に
認定表彰する。毎年数件ずつ選び、10年間で計100件を認定する計画だ。
機械遺産の制度は、同学会の創立110周年を記念して設けた。機械技術の発展史で
重要な成果があった機械、生活や文化、経済、社会に貢献した機械などが対象。
機械や機器のほか、機械関連システム、機械工場、設計仕様書や教科書などが認定される。
認定後は、所有する企業などが持ち続けられなくなった場合に、国立科学博物館や
自治体への移管の仲介で処分や散逸を防ぐ。
今回選ばれた25件には、初代新幹線の0系車両、国産旅客機のYS11、マツダの
ロータリーエンジン、ホンダの自転車用補助エンジン「カブ号F型」、豊田佐吉が発明した
自動織機、東京帝国大学工学部の1905年当時の水力学の講義ノートなどがある。
「コマツブルドーザーG40」は、戦時中に空港建設などのため、国からの要請で
生産された国産初のブルドーザー。現存機は、フィリピンで使われ、終戦後に米軍が
海中に投棄した。引き揚げられて豪州の農場で使われていたのが78年に見つかり、
35年ぶりに日本に帰還した。
長崎市の「小菅修船場跡の曳揚(ひきあ)げ装置」は、機械遺産がある歴史的な風景として
認定された。幕末、外国から買った蒸気船の補修を目的に、1868(明治元)年に完成した。
蒸気機関で動く歯車に船を揚げる装置がつけられている。
「高周波発電機」は、1929年建設の依佐美送信所(愛知県刈谷市)に設置されていた。
戦争中は海軍が使用、ここから真珠湾攻撃を命じる「ニイタカヤマノボレ」の暗号を送信したという説もある。
選定をした同学会機械遺産小委員会の堤一郎委員長(産業技術史)は「機械は時代の技術を
象徴しており、設計者の考え方ばかりでなく政策や社会も反映している。歴史に学ぶことは、
新しい創造にも必要なことだ」と話している。
URLリンク(www.asahi.com)
日本機械学会
URLリンク(www.jsme.or.jp)