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天然痘:類似ウイルス、今もアフリカ毒ヘビに寄生の可能性
人類にとって最も脅威となった天然痘のウイルスに類似したウイルスが現在も生息する
アフリカの毒ヘビに寄生している可能性を、岡田典弘・東京工業大教授(分子進化学)らが
突き止めた。天然痘は1980年に根絶されたが、複数の身近な生物が類似ウイルスの宿主
になりうることが示され、改めて警戒が求められそうだ。米科学アカデミー紀要に発表した。
ゲノム(全遺伝情報)には、進化の過程で外から入り込むレトロポゾンと呼ばれる塩基の
繰り返し配列がある。一度、入ると抜け落ちることなく子孫に伝わるので、異なる生物種の
間の関係が分かる。
岡田教授らは、アフリカ西部の国ベナンに生息するネズミが感染した天然痘の類似ウイル
スを分析。ゲノム中に約350塩基対のレトロポゾンがあることを発見した。配列の特徴から、
レトロポゾンが類似ウイルスのゲノムに入り込んだのは、この地域に生息する毒ヘビの体内
に寄生している時と分かり、類似ウイルスが複数の生物種を宿主とする可能性が高まった。
ベナンは、かつて住民に天然痘が流行した地域で、類似ウイルスが変異し人類にとって脅威
になるかもしれない。
岡田教授は「類似ウイルスは依然、自然界にある。この毒ヘビを含め、人への感染の恐れ
があり油断は禁物」と警告する。【田中泰義】
毎日新聞 2007年7月10日 10時48分
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