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プリオン異常化防ぐ物質を発見 ヤコブ病治療薬開発に道
人のクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)や牛海綿状脳症(BSE)の病原体である異常プリオン
たんぱく質が増えるのを抑える物質を、岐阜大の桑田一夫教授(構造生物学)らが見つけた。
発病させたマウスに与え、寿命が延びる効果を確認した。治療薬開発の基礎になる成果で、
米科学アカデミー紀要電子版で今週、発表する。
CJDやBSEは、異常プリオンによって、脳内にもともとあった正常プリオンが次々に異常化し、
蓄積して起こると考えられている。桑田さんらは、正常型の不安定な部分を核磁気共鳴という
方法で特定。この部分を固定し、異常型への変化を防ごうと、ぴったり合いそうな化合物を32万
種類の中から探した。
44種類の候補のうち、GN8という化合物が異常化を防ぐことを培養細胞で確認した。これを、
異常プリオンを接種したマウスに一時的に注射したところ、4カ月程度の平均寿命が、18日ほど
延びたという。
CJDにはいくつかの治療薬候補が試みられてきたが、決定的なものはまだない。GN8は皮下
注射でも脳に運ばれやすいなど利点があり、より効果を高められる細部の化学構造を検討中だ。
桑田さんは「治療薬の基本骨格を作用するメカニズムとともに明らかにできた。研究を重ねて
治療薬に結びつけたい」と話している。
朝日新聞
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