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鍾乳石の一種「石筍(せきじゅん)」から、過去の酸性雨の状況を調べる手法を、九州大などの研究チー
ムが開発した。西表島(沖縄県)の石筍を分析すると、90年代初め以降、酸性雨の原因となる雨水中の
硫酸イオン濃度が2~3倍に急増したことが判明した。中国の石炭使用量が増え始めた時期と一致し、
研究チームは中国から酸性物質が流入した影響とみている。
石筍は、洞穴などの天井から落ちる水滴によってできるタケノコのような形の鍾乳石で、水滴には雨の
成分も含まれる。雨が地中にしみ込む際、植物が分解してできるフルボ酸が混入するが、夏は多く冬は少
ないため、石筍には年輪のようなしま模様(年縞(ねんこう))ができる。
九州大の吉村和久教授(地球化学)らは、西表島の中野洞で採取した成長中の石筍(高さ約15セン
チ)を用い、しま模様の間隔から石筍の成長速度を年平均0・05ミリと判定。過去約140年間に成長した
部分を層状に削り取って、含まれる硫酸イオン濃度を測定した。80年代までは5ppm(ppmは100万分
の1)前後でほとんど変化はなかったが、90年代以降は10~15ppmに急増していた。
西表島などの八重山地方は、冬季に中国の工業地帯上空を通過した気団がやってくることが多いが、
酸性雨の継続した観測データはなかった。
中国では90年代以降、石炭の使用量が増えているといい、吉村教授は「中国から酸性物質が流入して
いる可能性が高い。西表島の地質は国内の他地域に比べ、酸性雨を中和する能力が低い。酸性雨がひ
どくなった時期を特定できたことは、土壌や水への影響を予測する上で重要だ」と話している。【西川拓】
毎日新聞 2007年5月23日 東京朝刊
ソース
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