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熱帯地域の感染症・マラリアの治療に、即効性が期待できる化合物の開発に岡山大学大学院
医歯薬学総合研究科の金恵淑准教授(39)が成功した。マラリア感染による死者は東南アジア
やアフリカなどに年間100万人以上いるとされ、今後臨床試験を行い実用化を目指す。
現在主流のマラリア治療薬の「アルテミシニン」は即効性が低く、他の薬との併用をしなければ、
マラリア原虫を殺す効果もないという。
金准教授は、解熱作用のある化合物約7000種類から、マラリア原虫の活動を弱める過酸化
化合物500種を抽出。この過酸化化合物を合成し、マラリア原虫を殺す作用をもつ過酸化
化合物(N-89)をつくりだすことに成功した。マウスやサルを使った動物実験では、N-89を
投与後、12時間以内に体内のマラリア原虫が減少し、2日後には完治したという。
マラリアでの死者は現在、東南アジアやアフリカを中心に年間100万人以上いるものの、発展
途上国での流行が目立つことから、先進国の製薬会社はマラリア治療薬の開発に消極的。
金准教授は今後、世界保健機関(WHO)の協力を得て、臨床実験を実施し、実用化を目指す。
金准教授は「N-89は、正常な細胞に与える影響が低く安全性も高い。大量生産が進めば、
安い価格での購入も可能となる」としている。
(2007/05/02 17:14)
SankeiWEB
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