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セラミックス:曲げ延ばし可能なセラミックスに光
硬く加工しにくいセラミックスの内部に、変形の元になる原子レベルの欠陥が多数あることを、
幾原雄一・東京大教授(材料工学)らの研究グループが世界で初めて電子顕微鏡による直接観察で
確かめた。力を加える方向や温度などを調整すれば、曲げたり延ばしたりできるセラミックスが
作れる可能性を示す成果で、6日付の米科学誌サイエンスに掲載された。
金属が変形可能なのは、規則正しく並んだ原子配列の中に線状の欠陥部分が多数あるからだ。
外から力が加わると、これらの欠陥部分が一斉に動き変形する。セラミックスにも同様の原子配列の
欠陥があると予測されていたが、金属に比べて構造が複雑で原子レベルの配列は未解明だった。
研究グループは、特殊な電子顕微鏡を使い、アルミナセラミックス(アルミニウム酸化物)の原子
構造を観察。アルミニウムと酸素の原子を識別することに成功し、原子レベルの欠陥部分の構造を
明らかにした。幾原教授は「変形させやすい条件が分かれば、曲げ延ばしで加工できるセラミックス
ができ、産業面の意義も大きい」と話している。【西川拓】
毎日新聞 2007年4月11日 東京朝刊
URLリンク(www.mainichi-msn.co.jp)
Nonstoichiometric Dislocation Cores in α-Alumina
Science 6 April 2007: Vol. 316. no. 5821, pp. 82 - 85
DOI: 10.1126/science.1136155
URLリンク(www.sciencemag.org)