07/04/07 21:41:50
■非シリコン系太陽電池の省資源化製法を開発-大面積で高効率な太陽電池の量産化に期待-
●ポイント
* 次世代太陽電池として期待されている非シリコン系(CIGS薄膜)太陽電池の製造時における
セレン原料の利用効率を10倍以上に改善。
* 高効率な非シリコン系(CIGS薄膜)太陽電池の大規模生産ラインが可能に。
概要
独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 吉川 弘之】(以下「産総研」という)太陽光
発電研究センター【センター長 近藤 道雄】化合物薄膜チーム 仁木 栄 研究チーム長、石塚
尚吾 研究員は、非シリコン系のCIGS太陽電池の薄膜製造時のセレン原料消費量を従来の10
分の1以下に抑える製膜技術を開発した。これにより大面積で高効率なCIGSモジュールの量
産化が期待できるようになった。
CIGS太陽電池は 光吸収層にCu(In,Ga)Se2(銅・インジウム・ガリウム・2セレン、以下CIGS)
を用いており、光電変換層の厚さを数μmと薄くでき、しかも理論変換効率が単結晶Siを上
回るので注目されている。変換効率の高いCIGS薄膜の製造には多元蒸着法が有効であるが、
この方法ではセレンの利用効率が低いために技術的な製膜制御やコスト低減が難しく、産業
用途には不向きとされていた。今回、蒸気セレンをラジカル化して反応活性を高めることに
よって、従来のセレン蒸着法に比べてセレンの利用効率を10倍以上向上させることに成功した。
本研究成果の詳細は、2007年4月9~13日にサンフランシスコ(米国)で開催される2007
Materials Research Society Spring Meetingで発表される。(略)
プレスリリース全文はこちらです。
産総研プレスリリース 2007年4月5日
URLリンク(www.aist.go.jp)
2007 MRS Spring Meeting
URLリンク(www.mrs.org)
Y1.6 Preparation of Cu(In1-xGax)Se2 Thin Films and Solar Cells Using a Se-radical Beam Source.
S. Ishizuka; A. Yamada; H. Shibata; K. Sakurai; P. Fons; K. Matsubara; S. Niki
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