07/04/05 07:43:58
「脳内の掃除屋」と呼ばれるミクログリア細胞が働く仕組みを、井上和秀・九州大教授(神経
薬理学)と小泉修一・山梨大教授らのグループが動物実験で解明し、5日発行の英科学誌
「ネイチャー」に発表した。アルツハイマー病などの治療薬開発につながると期待される。
ミクログリアは、脳細胞の大半を占める「グリア細胞」の一種で、脳内の免疫をつかさどっ
ている。例えば、アルツハイマー病の原因とされるたんぱく質「アミロイドベータ」の脳への蓄
積をミクログリアが除去することは分かっているが、具体的な仕組みは判明していなかった。
研究チームは、生きたラットに神経障害を起こす薬を注射し、記憶にかかわる脳の「海馬」
という部分を調べた。薬物刺激によって脳神経細胞が死にかけると、細胞内からDNAの材
料として使われている「UDP」という物質が流れ出し、ミクログリアが活性化した。ミクログリ
アが死んだ細胞に近寄って食べる様子も観察できた。このように脳内の不要物を片付けるこ
とによって、新しい神経回路網を作りやすくしているとみられる。
井上教授は「ミクログリアが脳の健康を維持している仕組みが分かった。これを利用してミ
クログリアの働きを制御する薬ができれば、アルツハイマー病などの治療に貢献できるかも
しれない」と話している。
(ニュースソース)
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