07/02/10 15:21:20
宮崎県内の3カ所で発生した高病原性鳥インフルエンザ問題で、H5N1型
ウイルスを国内に運んだのは野鳥との見方が強まっているが、養鶏場に持ち込
んだ直接の「運び屋」として、ハエ類を疑う声が浮上してきた。清武町、日向
市東郷町、新富町の各発生現場はいずれも防鳥ネットなどで野鳥の侵入対策が
とられていたからだ。国立感染症研究所(東京都)は04年に発生した京都府
で感染力があるウイルスを持ったハエを採取しており、今回も現地調査を実施
する。
日本昆虫学会の元会長、三枝(さいぐさ)豊平・九州大名誉教授(昆虫分類・
生態学)は「ハエ類を疑ってみる必要がある」と指摘する。
三枝教授によると、真冬に活動する代表的なハエ類として、オオクロバエと
いう種類がいる。北海道から本州、九州にかけて生息し、朝鮮半島から飛来す
ることも。鳥など動物の死骸(しがい)や糞(ふん)をエサにする。
国立感染症研究所は04年3月、鳥インフルエンザが発生した京都府丹波町
(現在は京丹波町)の養鶏場の周辺6カ所で、計926匹のハエ類を採取した。
オオクロバエが40%を占め、サンプル調査で20~30%がウイルスを体内
に持っていたり、死滅したウイルスの断片を体に付けたりしていたという。
鶏は生きたハエを食べる。同研究所の小林睦生・昆虫医科学部長も「鶏がオ
オクロバエを食べて感染した可能性がある」という。
疑問の声もある。喜田宏・北海道大教授(微生物学)は「鶏がハエから感染
するのか、また発症するのかどうか、はっきりしたデータはない」という。た
だ、「(感染した)野鳥が鶏舎に入り込んだとは考えにくい。直接的に感染さ
せたものがあるだろう」。
(一部略)
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