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NASAの火星探査機、マーズ・リコナサンス・オービター(MRO)は2006年11月から
観測を始めたばかりだが、地球へ送られてきた観測データはCD-ROM 1000枚分に
迫っている。今月中には、マーズ・グローバル・サーベイヤーが8年半かけて送って
きたデータ量を抜く見込みだ。観測がおおむね順調に続けられている一方で、
いくつかの機器には不具合が見つかっている。
人類が火星に送り込んだ探査機は数多くあるが、地球へ一番多くのデータを届けて
きたのはNASAのマーズ・グローバル・サーベイヤーだ。1999年の探査開始以来、
送ってきた画像の数は25万枚、CD-ROM 1000枚を超えるデータ量だった。残念ながら、
マーズ・グローバル・サーベイヤーは昨年11月に地球との交信が途絶えてしまった。
しかし、それと入れ代わるように観測を始めたMROが、先輩探査機が8けて
達成した記録を3か月もせずに抜いてしまいそうだ。
MROには火星探査史上最高の性能を持つ望遠鏡HiRISEを筆頭に多くの観測機器が搭載
されていて、空前のペースで観測データが蓄積されている。そして、そのデータが
史上最高性能を誇る通信システムによって地球に送られている。しかも、火星と
地球の距離は12月の最接近に向けて縮んでいるので、データの送信ペースは今後
さらに加速しそうだ。
観測は2008年末まで続けられる予定で、そのころにはCD-ROM 5000枚分ものデータが
届いている見込みだ。火星探査史上最多どころか、今まで人類が火星探査機から得た
全データの10倍をはるかに超える。すべての惑星探査機からのデータを合計しても、
MRO1機の方が多いほどだ。
しかしながら、すべてが順調というわけではなさそうだ。高解像度カメラHiRISEには
光の検出器が14個あるが、打ち上げ当初からその中の1個でノイズが目立っていた。
このノイズが悪化している一方で、昨年11月末には別の検出器でもノイズが発生し、
先月には新たに5個の検出器で兆候が現れた。今のところ画質に問題はないが、事態が
悪化の一途をたどる事への懸念が広がっている。
また、火星の天気をモニターする別の装置にも、時おり誤動作が発生するように
なったため、現在運用を停止して原因の究明が行われている。幸いなことに、残る
4つの観測機器は正常に動作しているので、MROから史上最速のペースで送られてくる
データが途切れることはなさそうだ。
URLリンク(www.astroarts.co.jp)