07/02/05 00:43:24
BSE(狂牛病)などほ乳類の脳疾患は、科学者らが考えてきたプリオンと呼ばれる
奇形タンパク質が原因ではなく、ウイルスによって引き起こされる可能性があると
いう研究結果を、イェール大学の研究者らが発表した。
ロサンゼルス・タイムズによると、イェール大の研究では、BSEに類似する2つの
脳変性疾患に感染したネズミの神経細胞から、ウイルスのような分子が見つかった。
感染していない細胞の中にそうした分子はなかった。
研究を主導した同大学のローラ・マヌエリディス博士(神経病理学)は、今回の
発見は、感染した脳のプリオンがウイルス性感染症の結果であり、脳疾患の原因
ではないことを示していると話す。研究結果は米科学アカデミー紀要に掲載された。
マヌエリディス氏の発見を疑問視する脳研究者もいる。復員軍人医療センター分子
神経生物学研究所のボブ・ロウアー氏は、「ウイルスのような分子が感染した細胞
だけに見られるというのは、注目に値する。ただしそれは感染の状況証拠にすぎない」
と指摘する。
海綿状脳症とも呼ばれるBSEは、羊の海綿状脳症(スクレイピー)や人間がかかる
クロイツフェルト・ヤコブ病と同様、遅発性脳変性疾患の一種。
BSEはプリオンが原因という説では、正常なタンパク質の分子が突然異常に折れ曲がり、
他のタンパク質にも異常が広がっていくと言われていた。
マヌエリディス氏の過去の実験では、海綿状脳症の後期までプリオンは現れなかった。
早期段階に現れる物質を発見するため、同氏らは今回、スクレイピーおよびクロイツ
フェルト・ヤコブ病に感染したネズミの脳を、培養した神経細胞に注入した。この結果
発生したのは、小さなウイルスが密集したように見える球体だけだった。
ウイルスのような分子が感染の唯一の要因であることを証明するため、マヌエリディス
氏は今後、分子を隔離し、健康な細胞に注入して感染が起きるかどうか調べる予定だ。
URLリンク(www.usfl.com)