06/12/07 18:07:41
三十五歳以下の喫煙者であれば、一カ月間禁煙すると心臓の機能が正常化することを
北大大学院医学研究科の玉木長良教授(核医学)と、同科の森田浩一講師(同)らの
研究グループが六日までに突き止めた。若年健常者で身体機能の回復が確認されたのは
「世界初」(玉木教授)という。研究成果は、米国の研究者向け専門誌「ジャーナル・オブ・
ニュークリア・メディスン」十二月号に掲載された。
玉木教授によると、二○○三年から○四年にかけ、北大医学部に在籍する二十歳から
三十五歳までの学生や研究職の喫煙者十五人(平均喫煙歴六・四年、最短五年、
最長十年)と、非喫煙者十二人をがんなどの検査で使用する陽電子放射断層撮影装置
(PET=ペット)を使って、調査した。
喫煙は虚血性心疾患の危険因子とされる。PETで心臓を動かす心筋血流量を調べた
ところ、安静時は喫煙者、非喫煙者とも値は変わらなかったが、氷水に足をつけて行う
寒冷刺激時に喫煙者の方が血流量の増加が少なかった。
その上で喫煙者に一カ月間、禁煙してもらい、同じ検査を行ったところ、非喫煙者と
ほぼ同じ値に回復。半年間の禁煙でも非喫煙者と同様の値を維持した。
喫煙は身体機能のうち、最初に心臓に深刻な影響を与えるが、四十歳以上で禁煙しても、
あまり回復しないとされる。
玉木教授は「若いうちに禁煙すれば一カ月で体は元通りになることが証明されたのは、
若い喫煙者には大きなメッセージになる。今後は四十歳以上の人を対象にした研究も
進めたい」と話している。
TITLE:北海道新聞
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