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海上に大型風車を設置し、風力発電を使って次世代エネルギーとして注目される水素を
海水から取り出す産学連携のプロジェクトが始動した。呼び掛け人である太田俊昭・九州大
名誉教授(構造工学)によると、100年以上の耐久性をもつ新素材を活用。環境への負荷
が少なく、原子力発電所などと比べて大幅にコストを抑えることを目指している。太田名誉
教授は「地球温暖化が進む中、二酸化炭素を削減できる水素エネルギー社会実現のため、
5年以内に技術確立を目指したい」と話している。
プロジェクトには、九大のほか、京都、宮崎など8大学の研究者と炭素繊維メーカーなど
6社が参加。洋上に六角形のコンクリート製土台(直径600メートル)をはちの巣状に浮かべ、
風を効率的に集めることができる「風レンズ風車」(直径100メートル)を設置。風車で得た
電力で海水から水素を取り出して船で陸に運んで、車や家庭用の燃料電池などとして使う計画だ。
風車の土台は中心部をくりぬいて漁礁として利用。貝の養殖などをすることで、漁業権の
問題もクリアできるとしている。九大の応用力学研究所や工学、農学研究院教授らの研究
成果も活用するという。
新素材として使うのは、太田名誉教授が開発中の新型の炭素繊維強化プラスチック。
疲労に強くさびないため、耐用年数は100年以上とされ、風車や浮体構造物の建設に適して
いるという。400万キロワットの発電規模の場合、コストは原発の半分以下の約3000億円
となる見通し。
新素材の疲労試験はすでに始め、今後、大型水槽で小型の風車を使った実験などにも
取り組む予定だ。
西日本新聞
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