06/01/22 17:47:25
ロンドン(ロイター) 他人が苦痛を受けるのを見て満足感を覚える傾向は、
女性より男性に強くみられるとの研究結果をこのほど、英ロンドン大のチームが発表した。
男女の脳をスキャンすることにより、反応の違いが明らかになったという。
チームによれば、他人の不幸を喜ぶ心理を脳神経学の立場から検証した研究は初めて。
成果は英科学誌ネイチャーに掲載された。
チームは、32人の男女に参加を求め、俳優が演じる4人の相手と金銭のやり取りをする
ゲームをしばらく続けた。俳優には、借りた金をしっかり返す誠実な相手と、
ほとんど返さないずるい相手をそれぞれ演じさせたという。
続いて、相手役の4人に軽い電気ショックを与え、この場面を参加者グループに
見せながら脳をスキャンする実験を行った。その結果、男女の反応に大きな差がみられたという。
好感を持った相手が苦痛を受ける場面では、男女とも「共感」や「痛み」を感じる部分が
活発に反応し、同情を感じていることが分かった。しかし、きらいな相手が苦しんでいる姿
を見せると、男性では共感の反応がまったくみられず、褒美を受けた時のような満足感が
目立って増大した。一方で女性は、弱いながらも共感を示していたという。
また、参加者へのアンケートでも、男性は女性に比べて相手に仕返ししたいという願望が強く、
ずるい人物が罰を受けるのを見て満足感を得る傾向が高いとの結果が出た。
ただし、研究を率いたタニア・シンガー博士は「この実験では心理的、経済的な苦しみでなく、
身体的な苦痛だけを扱ったために、男性が強く反応した可能性もある。
男女差を立証するためにはさらに大規模な研究が必要だ」と話している。
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