05/09/05 19:36:08
鉄道では世界最速となる時速360キロの営業運転を目指すJR東日本の新幹線高速試験電車「FASTECH(ファステック)360」。
現在、その性能を確認する走行試験が、仙台-北上間で行われており、今月3日には最高時速398キロを記録するなど、順調に
試験を重ねている。その技術は八戸-新青森間が開業する11年にも登場する新型車両に反映される。車両に盛り込まれた最先端
の技術を4回にわたり紹介する。
◇「トンネル微気圧波」減らすため
ファステックの外観上の最大の特徴は、両端の車両の形状が異なることだ。先端部分が鋭くとがり戦闘機のような形状の「ストリー
ムライン」と、先端から急に断面積が大きくなり、先端部分がアヒルのくちばしのような「アローライン」だ。
「わざわざ2種類を試すのは、より『トンネル微気圧波』を減らすためです」と同社研究開発センター新幹線車両グループの柳瀬直仁
さんは話す。
トンネル微気圧波とは、車両が高速でトンネルに進入した場合、圧縮された空気がその反対側の出口で大きな音を出すもので、高速
鉄道に特有の現象。「ドン」という大きな音は、トンネル近くでは自動車のクラクションに相当することもある。
微気圧波の軽減には、先端のとがった部分をより延ばすことが有効だ。基本的には長ければ長いほど軽減されるが、カーブなどで
対向車両との接触回避などを考えると、先端部分の長さは16メートルが限界。ファステックはこれに挑戦している。
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