07/11/16 10:21:33
イラク:バグダッドの治安改善? 商業街のにぎわい戻る
イラクの首都バグダッドの治安が改善傾向を示し始めた。イラク政府内からは今年2月から
続けられてきた米・イラク軍による治安回復作戦の終結も近いとの観測も流れ始めている。
ただ、治安が再び悪化する要因は排除できておらず、バグダッド市民は「一時的な現象に
過ぎないのでは」と慎重に値踏みしている。
バグダッド東部の中心的な商業街、カラダ地区。ここ数年、度々爆発テロの標的となってきたが今、
多くの商店が営業を再開し始め、にぎわいが戻ってきた。レストランは午後9時過ぎまで営業し、
週末はほぼ満席に近い。午後6時を過ぎれば人通りが途絶えた3カ月前の状況と一変した。
バグダッド市内の各地区で同様の傾向が見られ始めている。市民が普段の生活を取り戻そうと
しつつある背景に、治安回復への実感があることは間違いない。
治安改善傾向には、今年2月からの米・イラク軍の集中的な作戦と並行してきた「バグダッド
分断策」が寄与している。市内の至る所には高さ3~5メートル以上のコンクリートの壁が
張り巡らされた。過激な武装組織や民兵組織の進入、逃走を防ぐ狙いがあり、ある地区から
別の地区に通じるゲートは通常1、2カ所だ。
イスラム教シーア派とスンニ派の宗派対立激化を受け、バグダッドでは宗派別の住み分けが
進んだ。コンクリート壁に囲まれた各地区はそれぞれが同一宗派の聖域と言え、バグダッドは
都市としての一体性を失った。
さらにスンニ派住民が「イラクの聖戦アルカイダ組織」を含む「イラク・イスラム国」と対決、
米軍に協力していることや、シーア派の対米強硬派、サドル師派の民兵組織「マフディ軍」の
攻撃停止が、治安回復に大きく影響している。
ただ、今後も治安改善の傾向が続くかどうかについては、不安定要素も残る。ロイター通信によると、
イラク軍のムサウィ准将は12日、最悪の治安だったアダミヤ地区を例に今年4月に150回に
上った武装組織の攻撃が、9月には29回に減少したと強調したが、依然毎日のように攻撃が
起きている計算だ。
マフディ軍が攻撃停止を解除すれば、再び迫撃砲によるスンニ派地区への攻撃増加が
予想される。スンニ派にはシーア派とクルド人主体の治安部隊に対する不信感が依然として
根強い。内政問題は何ら進展を見せておらず、政治対立が治安に悪影響を及ぼす可能性も
否定できない。
毎日新聞 2007年11月15日 19時07分 (最終更新時間 11月15日 19時13分)
URLリンク(mainichi.jp)
【米国/イラク】「理由なく市民殺害」 ブラックウオーター事件でFBI [11/14]
スレリンク(news5plus板)
【イラク】マリキ首相、宗派間抗争に「終結」宣言 [11/12]
スレリンク(news5plus板)
【イラク】反アルカイダのスンニ派指導者狙う - 爆発物を巻きつけた男の自爆テロで5人死亡[071110]
スレリンク(news5plus板)