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ブッシュ米大統領は13日、側近中の側近であるカール・ローブ次席大統領補佐官が
8月31日付で辞任すると発表した。政権運営に強い影響力をふるってきたローブ氏の
辞任は、レームダック(死に体)化が進む政権にさらに大きな打撃となりそうだ。
ホワイトハウスでブッシュ氏とともに会見したローブ氏は「先見の明と勇気を持って米国を
戦時体制に導いてきた人物を私は見てきた」と大統領の業績を称賛。ブッシュ氏は「我々は
これからも親友だ」と惜しんだ。
13日付ウォールストリート・ジャーナル紙のインタビューに、ローブ氏は「もう潮時だ」と
語った。1年前から辞任を考え始め、今年1月の大統領の一般教書演説の後にも辞めようと
考えたという。だが、昨秋の中間選挙で共和党が敗北、民主党主導の議会となり、イラク問題や
不法移民対策で議会での攻防に取り組んでいた。辞任後は家族の住むテキサス州に戻る。
ホワイトハウスのボルテン首席大統領補佐官が、9月のレーバーデー(労働者の日)に
政権に残った補佐官らは、大統領の任期が切れる09年1月まで残ってもらう、と通告したため、
その前の8月末に辞任することにしたという。
ローブ氏は政権の黒幕的存在と見られており、米中央情報局(CIA)工作員の身元情報
漏出事件への関与が指摘されたが、起訴はされなかった。最近は、政権が連邦検事8人を
政治的な理由で解雇したとの疑惑をめぐり、議会から関与を追及されていた。
ブッシュ大統領が90年代にテキサス州知事になったころからの側近で、00年の大統領選の
戦略担当を務め、04年の再選の最大の功労者とされる。「テロとの戦い」を強調しながら
保守層の支持を固め、世論調査などを駆使した緻密(ちみつ)な選挙によって、僅差であっても
相手陣営を上回る手法で「カール・ローブ神話」を生み出してきた。
インタビューでローブ氏は、米軍増派によりイラク情勢が好転し、政権の支持率も上向くと
予想した。だが、大統領の懐刀の辞任で政権はさらに揺らぎそうだ。ホワイトハウスの報道
担当者は「明らかに大きな損失だ」と語った。
2007年08月14日01時10分
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