07/06/26 21:44:11
【アメリカ】皮下にICタグ埋め込み、米医師会が前向き指針
米国医師会(American Medical Association、AMA)倫理委員会は25日に発表した報告書の中で、
医療情報を記録した小型ICタグを患者の皮下に埋め込むことにより、
「治療の安全性と効率性」の向上が図れるとする指針を採択した。
■治療の継続性向上が望めるタグ
ICタグは米粒ほどの大きさで、慢性病の患者の皮下に注射針で埋め込む。緊急治療に当たる医師が医療記録を
簡単に参照できるようにして、患者の本人確認と医療情報の安全利用に役立てる狙いがある。
ICタグは主に、米小売大手のウォルマート(Wal-Mart)など、企業が商品輸送高速化の目的で使っている。
信号がバーコードよりもスキャンしやすいという利点がある。
報告書は、ICタグを人体に埋め込めば「治療の継続性と一貫性が向上し、結果として、薬品使用による副作用
などの医療ミスが削減できる」としている。
■患者のプライバシーは守れるか
その一方で、「ある種の身体的リスク、あるいは患者のプライバシー侵害などの社会的問題を引き起こす可能性も
ある」と指摘。監視目的でこの装置が利用されるなど、個人の自由が侵害される事態も起こり得ると警鐘を
鳴らしている。
米食品医薬品局(Food and Drug Administration、FDA)が現在、人体への埋め込みを認めているのは、いったん
埋め込むと情報更新できず、機能と通信距離も限られた「受動」タグのみ。患者のプライバシーを守るため、
記録できる情報は個人識別コードに限られる。将来的には、バッテリー内蔵で、患者の状況の変化に応じて
情報更新できる「能動」タグが認可される可能性もある。
■すべてが明らかではない人体への影響
埋め込んだタグは取り出すことも可能で、体内で動かないようになってはいるが、サイズが小さいためほかの
部位に動いてしまう可能性もある。さらに、自動体外除細動器(Automated External Defibrillator、AED)などの
電子機器に干渉する可能性もあり、処方薬への影響も明らかになっていない。
AMAの報告書は、「医療目的でのICタグ利用は拡大が予想される」としながらも、ICタグの埋め込みに当たっては
患者への十分な説明と同意が必要で、医師の監督の下で利用することが望ましいと勧告している。
ソース AFP BB News 2007年06月26日 20:09
URLリンク(www.afpbb.com)