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「サハリン２ 露ガスプロム賠償拒否 環境破壊 三井物産などに転嫁か」
日本の商社など外資が参画するロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン２」を
めぐる問題で、経営主導権を握った国営天然ガス独占企業体ガスプロムが、環境破壊の
賠償金を支払わない意向を明らかにした。
ロシア側の賠償請求額は100億～500億ドル（約1兆1800億～5兆9000億円）にのぼるとの
見方もあり、外資側は経営主導権を失った上、膨大な賠償金を支払わされる恐れも出てきた。
ガスプロムの最高幹部、ブズリャク氏は３日、インタファクス通信に、昨年１２月に
合意した経営主導権の移行に関する最終文書の調印が遅れている理由について、サハリン２の
環境破壊問題があることを明らかにした。ガスプロム側は、経営主導権を握る前に起きた
環境破壊に対する賠償金は支払えないとして、賠償責任が発生した場合、外資側が負うと
最終文書に明記することを要求している。
外資側はこれを不服としているが、ガスプロム側の条件を丸のみしなければ４月中の
調印は難しいという。外資側はコメントしていない。
ブズリャク氏は、ロシア天然資源監督局の環境調査がまだ全パイプラインの２％にしか
及んでいないため、「今後、別の賠償問題が発生しないという保証はない」と述べ、
外資側が賠償責任を負うとの条件が最重要だと強調した。
日刊経済紙ＲＢＫによると、ロシア天然資源監督局のミトボリ局次長は３月末、サハリン２の
開発事業による環境破壊の賠償請求額は100億ドル～500億ドルに達するとの見通しを示した。
賠償額の明確な算定基準が明らかになるのは8～9月ごろともいわれている。
天然資源監督局は、日本政府などが参画し外資主導で進む石油・天然ガス開発事業
「サハリン１」の環境調査も始めた。
ガスプロム側は昨年12月、サハリン２の事業主体である英蘭系メジャー（国際石油資本）の
ロイヤル・ダッチ・シェルと三井物産、三菱商事の外資３社から合わせて50％の株式と
１株を譲り受け、74億５０００万ドル（約８７９１億円）を支払うことで合意した。
環境破壊の賠償額によっては、ロシア側はただ同然で経営主導権を握る可能性も
出てきており、批判が強まりそうだ。
引用元：産経新聞 2007年04月06日(金)朝刊第12版 3面 総合
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