07/12/04 17:21:06
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日本の「中文導報」によると、米国籍中国人女流作家の張純如が1997年、
「南京大虐殺」事件の真相を暴いた歴史著作『南京大虐殺』
(英文原作名『The Rape of Nanjing』は世界を震撼させた。だが、
「南京大虐殺」を画策し実行した当事国の日本では、特殊な社会的雰囲気と政治的圧力から、
日本語翻訳本は98年の出版の過程で頓挫し、その後、出版に至るまで10年という長きにわたり
摩訶不思議ともいえる空白を経た。張純如本人は長年におよぶプレッシャーからうつ病となり、
04年11月9日に銃を喉に打ち込んで自殺した。36歳という風采、文才ともに盛りの
年齢でこの真相不明の世を去ったのは、非常に惜しまれる。
07年12月13日、「南京大虐殺」事件は70周年記念を迎える。歴史が歩んできたこの長い70年の歳月を記念し、
歴史に対する正義感と道徳、勇気に満ちた中国人女性を追憶し、さらには日本社会に1つの
完ぺきともいえる歴史証言を提供するため、雌伏10年という出版のタブーを打ち破り、
日本の華僑・巫召鴻氏が翻訳し、日本の同時代社が出版する日本語版『南京大虐殺』を世に問うことになった。
翻訳者の巫召鴻氏は1951年に日本で生まれた華僑。長年にわたりコンピューターソフトの仕事に従事している。
巫召鴻氏はこう語る。「私の人格は、60年代から70年代にかけて形成されました。そのころ、
1つの上の世代が語る戦争体験をよく耳にしましたが、そのほとんどが広島や長崎の原子爆弾のことや、
東京大空襲、武勇伝や特攻隊、真珠湾攻撃といったもので、南京大虐殺については語っていませんでした。
70年代から、日本人の戦争に対する意識は被害者意識へと偏りはじめ、
そして次第に加害者としての視野が曖昧となって、侵略者としての立場を覆い隠すようになりました」
98年、柏書房は『南京大虐殺』を翻訳・出版することにした。その際、社会的影響を配慮して、
出版元は日本語の訳文に日本の視点に立った注釈と説明、批判する文言を加えるよう求めたが、
張純如本人が反対したことで、出版計画は流産した。これによる後遺症は、『南京大虐殺』は
その後の10年にわたって日本の出版界でタブーとされ、だれもがこの敏感な翻訳出版の
話題に触れようとしなくなったことだ。だが日本ではなんと、それに合わせるように原作を訂正し、
非難し、説明を加え、ひいては厳しく批判する著作が出版されたのである。
笠原十九司氏の『南京事件と日本』や、同じ歴史観をもつ本田勝一氏と妬村太一郎氏の対談、
さらには原作を全面的に否定する藤岡信勝氏、東中野修道氏が著した『「南京大虐殺」の研究』などだ。
巫召鴻氏は「翻訳出版にいたる経緯」のなかでこう指摘している。
「日本語の形で、日本で出版しようとする著作がこともあろうに、四方八方からこのように
集中的に非難と批判を浴びた書物は、これまでに1冊もなく、前代未聞のことです」。
だからこそ、彼は日本語版の出版によってより多くの人が完全な形でこの本を読み、
原作を本当に評価してくれるよう期待しているのだ。
「北京週報日本語版」2007年12月4日
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