07/11/26 22:26:02
“脱・日本式”を目指した完訳『形而上学』
哲学用語の韓国語翻訳に転機か
「形相」は「ありさま」に、「質料」は「原料」に変えるべき?
西洋哲学の主要概念語の韓国語への翻訳において、大きな転換の契機となるのか。
最近出版された古代ギリシャの哲学者アリストテレス(紀元前384‐322)の代表的著作
『形而上学』の完訳本(イージェイブックス刊)は、学界に少なからぬ波を予告している。
訳者の金振成(キム・ジンソン)世宗大講師がギリシャ語の原本を翻訳し、
既存の翻訳語に対して「叛逆」を試みたためだ。(表参照)
この本で、既存の「存在(einei)」という概念は「ある」、「存在すること(to on)」は
「あること」、「一者(to hen)」は「一つ」、「徳」は「優れていること」という韓国語に
新しく翻訳された。事物に内在する本質を語る哲学的用語の「形相(eidos)」は「ありさま」、
物質の生成変化から見出される幾つかの形相の正体を指す「質料」は「原料」に変わった。
1から新しく作り出した用語もある。「経験する状態」「受動的性質」などと翻訳されていた
「パトス(pathos)」については、「経験すること」という言葉を使用した。
この作業が注目されるのは、西洋学問の鼻祖ともいうべきアリストテレスの概念語こそが、
その後の西洋哲学史において何度も繰り返し登場する中で、専門用語として確固たる地位を
得ているからだ。訳者の金氏は「19世紀末以降、日本式の漢字翻訳語が無批判に受容されたが、
かえって一般人の理解を難しくしてしまった。単純な代替語ではなく、原文の意味に忠実な
韓国語の日常語を探し出した」と語る。これに対し、延世大の曹大浩(チョ・デホ)教授
(西洋古代哲学)は「新しい試みも必要だが、伝統的な用語が既に韓国社会で意思疎通の手
段として確立している、という点も無視することはできない」と語った。
(朝鮮日報)
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(図 表)
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