07/11/26 16:05:17
※長い記事なので3分割します 3-1
「後戻り」できない韓国(2007/11/26)
「従来の反米親中政策は、次期政権が改める」―。韓国の知識人が口々に言い
始めた。だが、大統領が代わったぐらいで韓国の外交が変わるのだろうか。
中道、右派が圧す大統領選
12月19日投開票の韓国の大統領選挙で有力候補は3人。どの世論調査でも似た
数字が出るが、支持率の高い順で言えば、1位が中道の李明博氏(支持率=40%
前後)、2位が右派の李会昌氏(20%前後)、3位が左派の鄭東泳氏(15%前後)
―だ。
韓国人が「外交姿勢が変わる」とする理由は、盧武鉉大統領の反米親中政策を基本
的に継ぐとされる鄭東泳氏を、米中双方に等しくいい顔をしそうな李明博氏と、親米を
打ち出す右派の李会昌氏が支持率で圧しているからだ。
だが、本当に「新政権の韓国が反米親中を止める」かは疑わしい。韓国の「反米親中
政策」は盧武鉉大統領の個性によるものと見なされがちだが、それだけではない。
地政学的、あるいは歴史的な要因に因って突き動かされている部分が大きい。誰が
次の大統領になろうと、地すべりのように中国に向かって傾く韓国の姿勢を復元する
のは容易ではない。
韓国の外交姿勢の変化の象徴が、現政権下で弱体化の進んだ米韓軍事同盟だ。
盧武鉉政権は米国に対し韓国軍の戦時作戦統制権の返還を求め、両国は2012年
を期限とした返還に合意した。この結果、米韓連合司令部が解体される見通しで、
在韓米軍の規模縮小も予想されている。
中道、あるいは右派を自認する知識人らは統制権返還を不安な眼差しで見つめて
いる。「連合司令部解体により北朝鮮に対する抑止力が弱まる」と考えているからだ。
彼ら20人に聞いた。
「では、反米を改めるという次期政権は、戦時作戦統制権の回収(返還)を中止し、
かつ、連合司令部の維持を目指すのか」―。
返ってくる答は歯切れが悪いものばかりだ。ほぼ全員が「回収(返還)中止は難しい」
と答えた。そして、ほとんどの人が「個人的には、回収(返還)は少なくとも当分の間、
凍結すべきと思うのだが」と付け加えた。
では、なぜ、返還中止は難しいのか。
止らぬ「米韓安保形骸化」
韓国社会には「戦時作戦統制権の返還=対米従属からの独立」と見る空気が濃い。
さらに左派は「米韓安保こそは民族への裏切り」と、米国との同盟自体を非難して
おり、社会の一定の支持を集めている。
米国との返還交渉が終わっていなければその交渉を中断し、返還を棚上げする手も
あったろう。だが、いったん決まった返還をひっくり返すには一部の国民とはいえその
強い反対を押し切る信念と、それを実行に移す強力な政治力を備えた指導者が必要だ。
「大統領になれば回収を中止する」と保守層から期待される李会昌氏でも、
それをできるかは分からない。
ソース:日経ネットアイ
URLリンク(www.nikkei.co.jp)
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