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★中国株：過熱警戒から調整強まる 上海は７日間で９％下落
【北京・大塚卓也】急速な成長を続ける中国経済への過熱警戒から、高騰続きだった中国の株式市場に
調整色が強まってきた。経済成長方式の転換を鮮明にした中国共産党大会の閉幕を受けて、追加的な
金融引き締めなど、過熱抑制策が打ち出されるのではないかとの観測が広がっているためだ。
上海株式市場の代表的な指数である上海総合株価指数は２５日、前日比４．８％下落し、５５６２．３９で
終了した。２４日に開かれた政府の会議で、温家宝首相が銀行貸し出しの抑制やエネルギー・公共料金
の引き上げ禁止を示唆した発言がきっかけだ。同指数は、党大会開幕直後の１６日に史上最高値の
６１２４．０４をつけた後、ほぼ一本調子の下落が続いており、７営業日で約９％下落した計算になる。
温首相発言の裏には、足元の経済の過熱感が沈静化していない現状へのいら立ちがある。政府が２５日
に発表した今年７～９月期の経済成長率は１１．５％で、四半期としては過去２番目の高水準だった。
４～６月期の１１．９％からはやや減速したが、固定資産投資は全国で前年比２５．７％の高い伸びで、
年初から断続的に続く利上げや預金準備率引き上げによる資金吸収策の効果はほとんど出ていない。
中国指導部が恐れる最悪のシナリオは、「バブル」との指摘がある株式市場が来夏の北京五輪前に暴落し、
庶民の不満が政権に向かうことだ。このところ下落しているとはいえ、上海株の水準はなお昨年末の終値
（２６７５．４７）の２倍以上。小規模な調整のあと、再び急上昇する従来のパターンが続けば、「収益の裏づけ
がない端株まで買われる中国株式市場の構造問題」（中信証券関係者）は続く。
胡錦濤国家主席が近く政府幹部の陣容を固めることを踏まえ、市場では「資産バブルの根本的な要因に
なっている通貨当局の為替市場介入を緩和し、人民元の上昇速度を加速させる政策が検討される可能性
がある」（国際金融筋）との予測も出ている。
（毎日新聞 2007年10月25日 21時35分）
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