07/10/14 21:37:56
【コラム】今も続く韓国式英語教育の弊害(上)(下)
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米国での語学留学を終えて帰国した娘を、英語塾に通わせることになった。
現在小学校3年の娘は、去年のちょうど今ごろ米国に渡り、1年ほど一生懸命英語を勉強した。
そのかいあって帰国する前には『ハリー・ポッター』などの映画を字幕なしで見たり、現地の
子どもたちと電話で20-30分しゃべったりするようになっていた。
自宅の近くに、比較的評判の良い英語塾があると聞き、子どもを連れて訪ねてみた。
親切な感じの担当教師が、子どもの実力を判定するために試験をすると言い、答案用紙と
マークシートを渡した。絵を見た後で、その絵の説明に適した英語の文章を選んだり、
英語の文章が読み上げられるのを聞いて、文章の内容に合うもの、もしくは合わないものを
選んだりといった調子の試験だった。まるでTOEICのような試験だった。
娘はこの日、生まれて初めてマークシートなるものを見た。そして「合わないものを選べ」
という指示の意味をうまくつかめないでいた。教師はラジカセの再生ボタンを押すと、部屋から
出て行ってしまった。そのまま一緒にいてもよいとの話だったので、わたしは娘が慣れない
手つきでマークシートを塗りつぶすのを見ていた。表情から、娘が戸惑っていることがよく分かった。
2問目を解き損ねて、そこからは解答する欄がずれ始めた。見ていられなくて、ずれていることを教えた。
試験が終わった後、「よく聞き取れたか」と尋ねると、娘は「聞き取るのはほとんど問題なかったが、
答えを塗りつぶすのが難しかった」と答えた。
試験の結果を見ると、100点満点で60点ほどだった。もしも2番の問題からマークをする
位置がずれていたら、点数は零点に近かったかも知れない。教師は「お子さんには、
これまでと違った形での勉強が必要だ」と話した。そして「韓国で英語を勉強する場合、
どの塾に通おうが、さっきのようなクラス分け試験を受けなければならないし、60点なら低い
レベルのクラスから始めなければならない」と説明した。マークシートを正確に素早く塗りつぶす
テクニック、文法問題のわなにすぐに気づく能力などは、実力を評価する上で重要な要素だという。
その説明によると、子どもに必要なのは英語ではなく、コングリッシュ、つまり韓国式の試験英語
ということらしかった。
子どもが米国で通った英語学校の教師は最初子どもの実力を判定するため、名前を尋ねたり、
学校生活について訪ねたりした。試験らしい試験と言えば、英語で1から20まで数えさせることくらいだった。
当時教師にその理由を尋ねたところ、「今の年齢は聞いたり話したりしながら、自然に言葉を身に
つけていくべき時期」という説明だった。この教師は「文法や作文などを勉強するのは聞き取りや会話に
慣れた後からでも遅くない」と付け加えた。
われわれの周りには、TOEICやTOEFLでは高得点を挙げながら実際には一言も英語をしゃべれない
人たちが珍しくない。TOEICで満点を取ったという新入社員が、海外からかかってきた国際電話に
あたふたする様子を見て、ひどく裏切られた思いをしたという会社役員の話も聞いたことがある。
韓国には文法問題だけは瞬時に解いてみせるが、肝心の会話はまったく出てこない「コングリッシュ専門家」
にあふれている。
こうした現象も今や過去の旧式英語教育の弊害でしかなく、今の子どもたちは「本物の英語」を
勉強しているだろうと信じていたのに、どうやらそれは甘い考えだったようだ。すべての努力が点数化
されてこそ納得するという韓国社会の雰囲気の中で生き残るためには、子どもにはまず
「コングリッシュ・テクニック」や「得点テクニック」を教えなければならない。そうした訓練を受けた
子どもたちが、実際に英語を使わなければならない状況に直面したとき、われわれの時と同じような
もどかしさを経験しなければならなくなるのではないかと考えると、気が重くなってしまった。