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※長い記事なので3分割します1/3
韓国の不安(2007/10/1)
韓国人が自らの反中感情を声高に語り始めた。ただ、それは中国離れの前駆症状で
はない。逆に、中国の引力圏にとり込まれるのに伴う、一種の「通過儀礼」と思われる。
「秀吉よりひどい」
「壬辰倭乱(文禄・慶長の役)より、その後の胡乱の方がわが国にもっと大きな被害を
与えた」。
最近、韓国の知識人が口々に日本人にこう語り始めた。「胡乱」とは成立前後の清王朝
が、服属を拒んだ朝鮮に攻め込んで起きた戦争のことだ。400年近い大昔の恨みが
いまごろ持ち出されるのは、このところ、韓国が「巨大化し横暴になった中国」にひれ伏
さざるを得ない事件が相次いだからだ。
7月末の駐中韓国公使の北京の病院での不審死。韓国メディアは一斉に「投薬ミスが
原因」と報じたが、中国政府は「病死」と発表。韓国政府の公式見解も結局はこれに
追従した。
5月、韓国船が中国近海で中国船と衝突して沈没。韓国紙は「中国船の当局への報告
が大幅に遅れた」、「韓国の捜索活動を中国政府が拒んだ」などと、乗組員の失踪を
中国側の責任と批判した。韓国メディアの批判は 「中国にモノを言えない韓国政府
のふがいなさ」にも向けられた。
豊臣秀吉の「文禄・慶長の役」をわざわざ比較の対象に持ち出すのは、聞かすのが
日本人であることもあろうが、「韓国で一番の悪役である日本と比べても、もっと悪い」
ことを強調するためだ。ついに中国は韓国で、そこまで嫌われる存在となったのだ。
「日本と縒りを戻したい」
「日本は対米-辺倒の外交をやめ、アジアとの関係を再定立せよ」。
これまた最近、学者ら韓国の知識人が日本人に向かってしばしば語る言葉だ。
あえて、とぼけてこう聞き返した日本人がいる。
「日本の影が薄くなっていた東南アジアでは、FTAなどを通じ日本は巻き返し始めた。
インドとは史上初の緊密な経済上、安全保障上の関係深化に乗り出した。中国とは、
基本的には対立が深まりそうだからこそ、些事での対立を避ける努力を始めた。
日本はアジア外交を確実に『再定立』している」。
ここまで言われると、韓国人は頭をかきながら本音を告白する。要は「反日の盧武鉉
政権の任期切れを期に日本と縒りを戻したい。でも、韓国からは言い出しにくいから、
日本が関係改善を言い出してくれないか」ということだ。韓国人が難しい顔をして
「再定立」などといった漢語を使う時、本音をそれにくるんでいることが多い。
年末の大統領選挙では、保守派が当選する可能性が高いと見られている。
そして、10年ぶりの保守回帰の波に乗り遅れまいとする学者が増える。「再定立論」は
彼らの「新理論」として流行り始めた。
ソース:日経新聞
URLリンク(www.nikkei.co.jp)
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