07/09/29 20:13:24
日本に入ってくる脱北者が今年になって急増している。国内で支援に
当たる在日本大韓民国民団(民団)の「脱北者支援民団センター」に
よると、例年は10人程度だが、今年は既に21人が入国した。以前は
帰還事業で北朝鮮に渡った人たちが帰国するケースがほとんどだったが、
最近は帰国した人たちが残してきた家族を呼び寄せる例が目立つ。
脱北者の入国は今後も増え続けるとみられ、同センターは支援を
呼びかけている。
センターによると、今年日本に来た脱北者は、2月10日に5人、4月28日
に3人、5月8日に1人、8月4日に12人。帰還事業で北朝鮮に渡った
元在日朝鮮人とその家族らで、いずれも中国・瀋陽の日本総領事館で
保護された後、帰国・来日した。
最近は、帰国した元在日が残してきた家族を呼び寄せるケースが多い
のが特徴だ。8月4日に来日した12人のうち、帰還事業で渡った帰国者は
女性1人だけ。残りは北朝鮮で生まれ育った人たちで、うち9人は以前
帰国した男性が残してきた、妻や娘、2人の息子夫妻と孫ら親族だった。
脱北者の入国急増について、こうした「呼び寄せ」型の増加が背景に
あるとみるのが、中国国内に潜伏する脱北者の生活支援を主な活動に
している「北朝鮮難民救援基金」の加藤博理事長だ。加藤さんは「既に
帰国した人が、残してきた親族に脱北ルートや領事館に保護を求めれば
安全ということを携帯電話などで教えているので、効率良く日本に入って
来ている」と分析する。
また、同センター事務局の金哲三(キムチョルサム)さんは「小泉
(純一郎)首相時代と違い、昨秋以降、日中関係が改善したことが大きい」
とみる。「保護された脱北者に中国側が日本への出国許可を与えるまで、
以前は半年近くかかっていたが、最近は2~3カ月程度に短縮されている」
と言い、出国許可までの期間短縮に日中関係の改善があるとの見方だ。
センターの支援対象者の多くが、北朝鮮で生まれ育ったため日本語や
日本での生活習慣や制度を知らない人たちになってきており、よりきめの
細かい支援が必要になってきている。金さんは「運営はすべて募金で
まかなわれている。脱北者の自立のため多くの人に協力してほしい」
と話している。募金先は郵便振替口座 00150-5-546257「支援
センター」。
【ことば】帰還事業と脱北者 日本赤十字社と朝鮮赤十字会の共同
事業で、祖国建設などを理由に1959~84年、在日朝鮮人と日本人
配偶者ら計約9万3000人が北朝鮮に渡った。北朝鮮を脱出しする
住民(脱北者)の中には、帰還事業で渡った人やその家族もおり、90年代
後半から帰国・来日するようになった。日本の外務省は、脱北者のうち
日本国籍保持者か元在日朝鮮人について入国を認める立場だ。これまで
約170人が帰国・来日したとされる。
(問い合わせ電話番号省略。ソース元でご確認下さい)
ソース(毎日新聞) URLリンク(www.mainichi-msn.co.jp)