07/09/14 17:19:46
<ノ・ジェヒョンの時視各角>韓国の日本化、日本の韓国化
「李明博(イ・ミョンバク)さんの人気が相変らず高い理由は何だと思いますか」--。
静岡県立大学の小針進教授は国内でもよく知られた韓国通だ。韓国の新聞や知人を通じて韓国政治に対して
あまねく精通しているだろうに、改めて私の考えを尋ねてきた。「相変らず」という言葉の中には「汎与党圏で
あれだけたくさん疑惑を提起しているにもかかわらず」という意味が込められていると思われた。
「そうですね。多くの韓国人が無能な進歩に嫌気がさしたことも要因ではないでしょうか。ちょっと垢がついていても
いい。仕事さえよくやってくれれば。経済さえ立て直してくれるなら目をつぶろうと思うようです」
私の返事に小針教授は「本当に面白いですね。韓国が日本化していますね。反対にこのごろ日本は韓国化して
いるようです」と言いながら笑った。面白い分析だった。
先週、日本に行ってきた。東京に2日、静岡に1日泊まった。仕事を終えてホテルに帰って来てテレビをつけると
政府に向けた有権者たちの怒りが決まって流れた。到着した初日、遠藤武彦農水産相が辞任した。農業共済
組合の補助金を不当に受け取ったからだ。農水産省事務次官も辞表を提出したというニュースがその後流れた。
選挙時の会計不正が明らかになった小林温参議院議員職辞任会見も放送された。政治資金報告書に虚偽事実
を記載した鴨下一郎環境相、上川陽子少子化相は記者たちの追及を受けるのに汗をかいた。やはり安倍政権は
短命だという感じがした。案の定、おととい安倍首相は結局退いた。
日本の有権者たちが内閣や政治家にばかり頭に来たのではなかった。民放の特集番組は競って「年金横領」の
ニュースを伝えた。国民年金保険料を扱う社会保険庁と基礎自治団体の公務員たちが長期間、巨額の年金を
横領したというニュースに、まさに国民の怒りが煮えくり返った。番組は日本地図を描いて地方自治体別にいくら
ずつ横領したという不正を詳しく伝えた。作家や芸能人などパネラーとして登場した人々は「こんな明白な犯罪を
隠してきたとは…」と言った。芸能界のスキャンダルなどを伝えながら笑って騒いだ過去の民放ではなかった。
政治家、官僚の道徳性に対する日本人の基準は本当に苛酷なほどに厳しくなった。実際に何人かの閣僚の過ち
は領収証の処理やお金の用途が問題だった本格的な政治資金犯罪ではない。しかし有権者たちは容赦なかった。
また別の韓国通小倉紀蔵京都大学教授は、国家政策の志向点の面で「日本が韓国化している」と分析する。
以前の日本が価値中立的な平和憲法に頼って国際社会で独特の位置を占めて来たら、安倍政権は「価値観を
表す外交」というスローガンの下、韓国、中国、北朝鮮のように理念を掲げているという指摘である(『論座』10月号)。
確かに日本は以前の韓国に近くなっている。学力を落とすという理由で‘ゆとり’教育政策もあきらめた。小・中学校
の授業時間は1977年以後、30年ぶりに増加した。日本政府の経済財政諮問会議は国家公務員の30%にあたる
10万人を減縮する案も論議中だ。中央政府は地方政府に対する補助金をすでに大幅に削減した。
反対に韓国は過去の日本に近づいている。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権に入って公務員は6万6000人も増えた。
公教育は暇になって疲弊した。不正疑惑が申し立てられれば大統領がしゃしゃり出て「記事のネタにもならない」
と弁護する。何かの景品イベントでもするかのように数百億ウォンの税金をインセンティブとしてかけ、地方ごとに
革新都市を作る際には、大統領は「任期中に着手し、確実に作っておきたい」と広言する。政府組職をスリム化
して公職者に厳格となり、学校教育を強化して地方自治体の自活力を重視する日本とは正反対に進んでいる。
どちらが望ましいだろうか。日本の韓国化は過去の辛い失敗から得た教訓のおかげだ。しかし韓国の日本化は
何の教訓や悟りから出たものではない。
私が思うにただ税金の怖さを知らぬ“もったいないと思わない意識”のせいのようだ。
ノ・ジェヒョン論説委員
(中央日報 2007.09.14 09:04:03)
URLリンク(japanese.joins.com)