07/09/05 21:09:46
中国でがん患者急増 環境汚染や農薬原因か
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中国各地でがん患者が急増しているとの報告が相次いでいる。
一部の専門家は環境汚染や農薬、抗生物質の過剰使用による食物汚染などが原因と指摘し
「政府による対策が急務」と警告する。急速な経済発展のひずみか、豊かさの代償か。
貧困層を中心に庶民は不安を強めている。
衛生省は5月、2006年のがんによる死亡者は前年比約19%増、農村では同約23%増と
なったと発表した。新華社発行の中国誌「瞭望東方週刊」によると、がん患者専門の北京腫瘍
(しゅよう)医院が昨年診察した数は約15万5000例で、10年前の3.4倍以上。
妊婦や子供が発症するケースも増加しているという。
「薬を買う金も尽きた」。
山東省平邑県の農村に住む楊張氏さん(82)は2月、せき込む夫(75)を病院に連れて行った。
エックス線検査で肺がんと判明、貯金の1万元(約16万円)は診察料と鎮痛剤代で消えた。
医療保険制度は未整備。
手術や化学療法を行う余裕はなく、今は「じっと死を待つ」(村人)という日が続いている。
楊さんの村では、2000年以降、16人ががんで死亡、うち5人は今年1月から3カ月間に相次いで死亡した。
近隣の村でもがん患者が増加。村人は、ゴム工場が垂れ流す汚水や農薬を疑うが実態は不明だ。
水質汚染が目立つ淮河流域ではこうした村が増えている。
広東省韶関市の村でも、カドミウムなどの重金属による水質汚染により、20年間に人口の約10%に
当たる約300人ががんなどで死亡。黒竜江省大慶市の工業地区ではがん患者に加え、脳障害を患った
赤ちゃんが相次いで生まれた。
環境汚染とがんの直接的な関連について科学的な証明はされていないが、衛生省の専門家らは
淮河流域で行った調査結果として「汚染物を垂れ流している企業と、がん死亡者が多い地区の
分布が一致した」としている。
胡錦濤指導部は淮河流域での再調査を関係機関に指示するなど公害防止策を強めているが、
北京の外交筋は「日本ですら深刻な公害を克服するのに数十年かかった。民主的チェック機能がない
中国で解決するのは極めて困難」と指摘している。(共同)
(2007/09/05 20:40)