07/09/05 11:54:25
原題:再入国許可制度に違和感 在日同胞たちの声
民団愛知県本部(梁東一団長)は8月28日、名古屋入国管理局(石田茂局長)を訪問、
在日韓国人の「再入国許可制度の適用除外を求める要望書」を提出した
いつまで続く管理 意思確認 特別永住者は不要
一般外国人とは違う
永住権を持ち、生活基盤も日本にあるのになぜ、再入国許可が必要なのか理解できないという声が在日同胞社会に根強い。
印紙代はもとより、仕事を放り出して入国管理局に足を運ぶ負担感も大きいようだ。再入国許可を得ずに出国したために特別永住資格を剥奪されたという人もいる。
孫やひ孫の世代にまでこんな思いをさせるのかと思うとやりきれないという声もあった。
なぜ高い印紙代
再入国許可を得るための印紙代はシングル4000円、数次になると6000円。大阪の金吉浩さん(作家)は「区役所で外国人登録証明書や印鑑証明をとっても500円で済むのに、
どうして再入国許可だけ高いのか」と疑問を呈す。
身体が不自由だったり日本語の書けない1世の年寄りなどは、代理人に頼むことになるが、「同居人でなければ受け付けてもらえないというのも理解できない」と金さん。
同胞はこれまで無意識に入管当局に足を運んできた。だが、「よくよく考えれば不条理」という疑問の声はこれまでも根強かった。朴鍾文さん(65)=滋賀県在住=も「なにか管理されているような感じがしていた」という。
「日本は永住を認めているのに、事前に了承をもらうのはおかしい」。同じく滋賀県の都貞男さん(71)も「運転免許の5年切り替えは日本人も同じ。何の違和感もないが、再入国だけは違う。
これから孫やひ孫の世代にまでこんな思いをさせるのかと思うとやりきれない」と語った。
犯罪者視に衝撃
こうした違和感は世代が若返るほど強くなる。孫美幸さん(立命館大学大学院社会学研究科後期博士課程)は語る。
「窓口で手続きをするとき、どの国の外国人よりもいちばん流ちょうな日本語で遠慮しながら尋ねている自分のこっけいさが耐えられない。
あなたは永遠によそ者なんですよ。永住は許可してあげてるだけなんですから、といわれているかのよう」。
「91年問題」が一段落したいま、再入国許可の手続きそのものをまったく理解していないという若い世代も出てきているという。
三重県から青年会の本国研修に参加したある女性は、パスポート確認を済ませ、いざ搭乗の際になって手続きをしていないことに気づかされた。
空港内の入国管理室では犯罪者のごとき扱いを受けたことが、いまも深いトラウマとなっている。現場にいた青年会員は、
再入国許可制度そのものが、指紋押捺義務と同様、理不尽なものだと身をもって知らされたという。
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永住資格剥奪も
かつて、指紋押捺を拒否したためにすでに取得済みの再入国許可を取り消されたという同胞は多い。
韓久さん(民団三重県本部事務局長)もその1人だ。韓さんは抗議したものの、「再入国許可は法務大臣の裁量」として聞き入れられなかった。
韓さんは「確信犯」だが、気づかずに出国しても特別永住の資格を剥奪される。
米国で開かれた学会から戻ったある在日医師は、再入国許可の期限が経過しているとして空港で入国を拒否された。
渡航の手配は旅行会社任せだったため、再入国許可期限のことなど気にもしていなかったのだ。医師は後に日本国籍を取得しようとしたが、
申請そのものを受け付けてもらえなかった。入国特別許可を得たことで新規入国扱いとされ、それまでの居住の継続性を否定されたからだ。
白承豪弁護士は次のように指摘した。
「そもそも再入国制度とは日本での継続居住の意思確認のための制度である。特別永住者(一般永住も含め)は当然に日本での居住を希望している者で、
出国の際に日本での継続居住の意思確認をする必要はないはずだ。戻りたくないときだけ申告させれば事足りる」。
ソース:民団新聞
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