07/07/30 12:03:04
中国でＨＩＶ強制検査計画 「人権侵害」批判も
【北京＝矢板明夫】中国中南部の湖南省で当局が、ＨＩＶ（ヒト免疫不全ウイルス）の
感染拡大防止策として、サウナやカラオケ・クラブなど娯楽施設の従業員に対し、
強制的なＨＩＶ感染検査の定期実施を計画していることが明らかになった。
国営新華社通信が２８日に伝えた。しかし、当局主導で強制検査を実施すれば、
基本的な人権を侵害する恐れがあり、国内外で強い批判を受けそうだ。
同通信によると、湖南省のＨＩＶ感染者はここ数年急増している。
今年１月から６月までに６５６人の感染者が新たに報告された。
その中で性的接触による感染は約４割で、昨年の３割強、
それ以前の１割強と比べて急速な伸びを示している。
ＨＩＶ感染が娯楽施設などが提供する性的サービスを通じて、
一般市民に広がっていると当局が判断し、今回の計画につながったとみられる。
検査は年に４回実施するという。
しかし、当局が特定の人々に対してＨＩＶの感染を強制検査することは、
市民の自己決定権や平等権などを侵害する可能性がある。
また、強制検査は売春禁止という法律の建前と矛盾する。
娯楽施設が法律を守っていれば、ＨＩＶ感染の強制検査をする必要性はないはずだ。
検査を実施するのは、娯楽施設が売春を行っていると当局が認識していることを示す。
それなら、なぜ、まず売春を取り締まらないのか、という議論も出てきそうだ。
中国のＨＩＶ感染者は今年４月末までに、２０万３５２７人が報告され、
そのうち発症者は５万２４８０人で、すでに１万６１５５人が死亡した。
全国の推定感染者は６５万人（２００６年１月、中国衛生省と世界保健機関
＝ＷＨＯ＝の合同調査）。
(2007/07/30 01:50)
（産経web）
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