07/07/24 06:50:10
アフガンの人質-韓国人たちの解放を願う
自爆テロや外国人を狙った襲撃が相次ぐアフガニスタンで、今度は23人もの韓国人が
旧支配勢力のタリバーンに拉致され、人質になる事件が起きた。
全員がキリスト教の若い信徒である。医学生や看護師もおり、タリバーンの支持者が
多い南部カンダハルの病院や幼稚園で奉仕活動をした後、首都カブールに戻る途中
だったという。無事の解決を心から祈りたい。
この事件の前日には、ダム建設に従事していた2人のドイツ人技術者が拉致され、
1人は後に遺体で発見された。先月中旬には、日本のNPO関係者3人が自爆テロに
巻き込まれ、大けがをする事件があったばかりだ。
アフガンの復興を手助けするために訪れた人々が、次々に災難に遭っている。民間人を
標的にしたケースが増えており、許しがたい。
タリバーンはカルザイ政権側に、拘束されている仲間の釈放と、米国に同調してアフガン
に派兵した韓国に部隊の即時撤退を要求している。
駐留している韓国軍は医療部隊と工兵部隊で200人余り。もともと年内に撤退する
予定であり、即時撤退の要求には応じていない。人質をとっての脅しに屈するわけに
はいくまい。
韓国政府は現地に交渉団を送り、人質解放のために動き始めた。地元の部族を通して
説得を重ねてもいる。全員が無事に解放されるよう、カルザイ政権は力を尽くしてほしい。
派遣した教会は「参加者の家族を苦しめた」と謝罪し、アフガンでの活動を中断することを
決めた。
若者たちの中には、遺書をしたためて参加した者もいるという。治安が悪化し、危険な
ことを承知でアフガンに入り、手を差し伸べようとした志や善意を非難することはできない。
問題は、アフガンの治安が彼らの予想を超えて悪くなっていたことだ。一行は真新しい
大型バスに乗っていた。外国人を狙った拉致やテロ事件が増えていることを考えれば、
目立たないようにするなどもっと工夫が必要だった。
タリバーンに襲われているのは、外国人だけではない。彼らは女子教育を目の敵にし、
昨年だけで200校近くの公立学校を焼き打ちにした。女子生徒が殺害される事件も
続発している。
それでも、親たちの多くはタリバーンの脅しに屈することなく学校を再建し、わが子を
学校に送っている。再建された学校は焼き打ちの数をはるかに上回り、538校に達する。
内戦は20年以上に及んだ。親たちは、ほとんど教育を受けずに育った。「せめて我が子
には読み書きができるようになってほしい」。そうした思いが復興の原動力になっている
のだ。
治安状況は厳しいが、復興への支援をやめるわけにはいかない。二重、三重の安全
対策を講じるしかあるまい。
ソース:朝日新聞
URLリンク(www.asahi.com)
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