07/07/21 12:23:14 OtMNH+bT
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貧しいフィリピン人から、お金持ちの日本人が臓器を買い上げる。
両国間での臓器売買は1980年代後半から問題にされ、とくに日本側の道義的責任が問われてきた。
その後、日本では臓器の売買やあっせんを禁止する法律ができたが、効果はまったくないようだ。
フィリピンには、目の前の貧困から抜け出すことに懸命で、
自分たちの人権を訴える行動にまでたどりつけない人たちがいることも確かだ。(中略)
ここには二十人余りの腎臓(じんぞう)提供者やフィリピン人ブローカーがいるという。
ビトさんも一九九八年二月、日本人に腎臓を売った。
「ここを抜け出し、貧困生活を終わらせたかった」。九七年一月ごろ、
フィリピン人ブローカーに「腎臓一つ売れば大金を得られる」と誘われた。
三日後に血液検査を受け、交通費として一日の最低賃金を超す三百ペソをもらった。
アラブ人や中国系フィリピン人に腎臓を提供した仲間が大金を得た話に「次はオレだ」と期待を膨らませた。
退院時に「客は日本人男性」と執刀医に告げられた。顔や名前は知らされなかった。
売り値は十万ペソ(約二十万円)。ブローカーに紹介料として二万ペソを渡し、
五万ペソの小舟を買った。残りは借金返済、自宅の建築費に充てた。
だが、生活費がかさみ、舟は一年後に売った。「小舟を使った運搬で稼げるはずだった」。
夢は破れ、逆に一万五千ペソの借金が残った。