07/07/14 17:37:38
食品や玩具、自動車まで中国製品の安全性や品質が世界中で厳しく問われる
時代になった。日本を抜いて米国、ドイツに次ぐ世界3位の貿易大国に台頭した
中国の1兆ドル近い輸出のうち粗悪品はごく一部かもしれないが、これだけトラブルが
相次ぐとメード・イン・チャイナ全体に悪いイメージを与えかねない。
中国産原料のペットフードを食べた猫や犬が米国などで大量死していたことが
今年3月、発覚した。5月にパナマで有毒のジエチレングリコールを含む中国産
せき止め薬で100人以上死亡と報じられ、6月には米食品医薬品局(FDA)が中国産
練り歯磨きにジエチレングリコールの混入が懸念されると警告した。
FDAは6月下旬、エビ、ウナギなど中国で養殖した魚介類も一時輸入停止した。
中国では段ボールと具を混ぜて作った「偽肉まん」まで売られていたことが判明、
中国産品への不安が急速に広がっている。
不信はかねて中国国内にもある。中国中央テレビは2003年から粗悪品を糾弾する
番組を毎週放送、最近取り上げた「脂肪取り張り薬」はダイエット商品のはずなのに、
どこに張っても体重が減るどころか油がしみ出てくる代物だった。
中国は昨年、ドイツを抜いて日米に次ぐ世界3位の自動車生産国に躍り出た。
ところが、中堅自動車メーカー華晨汽車がドイツに輸出した独自ブランド車「尊馳」は
現地での衝突安全試験で最低評価だった。
こうした事例は意図的で悪質なものとは異なるとしても、製品の安全性を確保する
ことは当然だ。
中国の品質管理当局は今月10日、海外からの様々な批判に対し、生産から流通、
輸出まで各段階での安全管理の強化などを打ち出した。偽薬の認可に便宜を図った
薬品監督当局幹部の死刑も同日、執行した。国際社会の不信感を払拭しようとしたの
だろう。
だが、一部の中国企業や業者は品質管理や製造物責任に関する意識が必ずしも
十分ではない。特に製品の安全性は国内外を問わず重要で、自国の利益にも
つながると自覚する必要がある。同時に、官業癒着や法治の不徹底といった
中国特有のシステムも改革しなければならない。
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