07/07/11 14:03:44
長野市上松の市道で一九九七年十月、近くに住む会社員山浦一雄さん=当時(61)=が
車にひき逃げされて死亡した事件は、韓国籍のチョ泳佑(チョ・ヨンウ)容疑者(44)が十日逮捕され、
十年ぶりに解決へと向かうことになった。
山浦さんの妻宏子さん(62)は「人間として当たり前のことをしてほしい」と心からの謝罪を願っている。
チョ容疑者の車にはねられた山浦さんは、病院に運ばれたものの、頭を強く打っており、
意識を取り戻さないまま五日後に亡くなった。
「急にいなくなってしまった。どうしてだろう、どうしてだろう」。同じ会社で知り合って結婚し、
共に暮らした二十八年。宏子さんは、つらい現実を受け入れられなかった。
「落ち着いたら、のんびりと旅でもしよう」と、二人は約束していた。
週末には広島や沖縄などに足を向けた。「今度はシベリア鉄道に乗りたいね」
「アメリカ大陸を横断しよう」。世界地図を前に、退職後の夢は膨らむばかりだった。
声を荒らげたりすることはない物静かな夫。
宏子さんは「一緒に楽しい老後を歩んでいきたい」と思っていたところだった。
事件から十年がたつ。宏子さんは、容疑者逮捕の知らせを冷静に受け止めた。
「はねたのは事故だから故意でないのは分かる」としながらも
「人として、謝罪はしてくれると思う」と静かに話した。
「家族って大事ですよね」。今は長男夫婦と孫たちに囲まれて暮らす宏子さんは、
仏壇に安置された山浦さんの遺影に、そっと手を合わせた。
ソース 中日新聞
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