07/07/11 11:50:17
「終戦宣言の提案」という無謀かつ浅はかな発想
大統領府の関係者は9日、「南北首脳会談と、南北および米国と中国による4カ国
首脳会談を開催し、韓国戦争（朝鮮戦争）の終戦宣言を提案することを検討している」
と語った。時期としては8月15日の光復節（日本支配からの解放を記念する日）を
前後して行いたいとしている。
米朝関係の正常化や韓半島（朝鮮半島）の永久平和体制のために別途協議を
行うことは、韓半島の非核化とともに昨年9月19日に発表された6カ国協議の
共同声明での合意事項に含まれている。しかしこうした内容は北朝鮮の核問題の
解決や米朝関係改善の進展の度合い、南北関係の状況などによりその実現性が
左右されるため、韓国が一方的に積極的な姿勢を見せたからといってどうなる
ものでもない。
終戦宣言は、平和協定の前文に当たる内容を含み、政治的宣言の色彩が濃い。
平和協定とは違い、法的な拘束力はないものの、韓半島の安全保障秩序の
根本的な変化を示すことになるという点では大きな意味を持つ。また米朝両国が
50年以上にわたる敵対関係を清算することで、韓米同盟や在韓米軍の存在にも
影響が生じる。終戦宣言は韓米同盟が前提とする現在の脅威が消滅したことを
意味するからだ。
盧武鉉（ノ・ムヒョン）大統領は最近、ある新聞とのインタビューで南北首脳会談の
開催問題について触れ、「（任期が）残り2、3カ月しか残っていない状況でも、
わたしが（北朝鮮に）出掛けて、合意して判をついてくれば、その合意内容には
次の社長（大統領）も従わざるを得ない」と語った。大統領としての任期が残すところ
数カ月となったにもかかわらず、国家の安全保障や国民の安全を左右する大問題に、
これほど独善的な態度で臨もうとしているのだ。これでは国民の理解を得ることはできない。
大統領府の関係者は最近、「北朝鮮が核問題に関する合意事項を順調に履行して
いくという前提の下で、さまざまな可能性を検討している」と語った。しかし6カ国協議の
合意事項に含まれる「不能化」という表現が意味する内容についてすら、関係各国の
間で解釈に隔たりがあることからも、決して先行きを楽観できる状態にないことは明らかだ。
最近まで国連駐在北朝鮮代表部の次席大使を務めていた北朝鮮軍縮平和研究所の
韓成烈（ハン・ソンリョル）代理所長は先日イギリスで開かれた国際会議で「韓半島の
非核化は米軍撤退などを通じ、米国が敵対的な措置を中止してこそ可能となる」と語った。北朝鮮が変化したと錯覚し、その出方を見極めることもせずに先走って行動しようと
している韓国政府の状況を、北朝鮮の代表者は正確に把握しているようだ。
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